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間違いだらけのダイエットPART-2 / 5つの正解

あなたのダイエットは「頑張って減量するけと結局またリバウンドする」というパターンではありませんか?このようなダイエットは結果が出ないだけでなく、健康にとっても最悪です。あなたは結果も出ないNGダイエットを続けますか、それとも続けられる健康的なダイエットに切り替えますか?

ここでは健康的なダイエットするための5つの正解をご紹介します。無理なく続けられる健康的ダイエットで、ずっと維持できる健康的な体型を手に入れてください。

健康アドバイザー 小川康夫

(私の変化:詳細は2−1で↓)

1. NGダイエットと正しいダイエットの違い

今回、正しいダイエットについて解説しようと思ったのは、『多くの人がせっかくダイエットをしても、間違ったやり方のせいでリバウンドを繰り返している。ぜひ正しいやり方で良い結果を出してほしい。』と思ったからでした。

本当に健康的で正しいダイエットを行っていたら、その結果として無理なく体型をキープできるはずです。キープできないのはむしろおかしいことです。

1-1. NGダイエットはリバンドする

ところが、多くの人が間違った方法でダイエットをやっていて、それは健康的にもよくありません。そんな無理な方法に身体は耐えられないので、一度はたしかに体重を減らしますがまた元に戻る、そしてまた必死に体重を減らす、を繰り返すのです。

こういうジグザグの体重変化を何度も繰り返していきます。これは間違えたダイエット法であり、身体にも良くありません。こんな方法を続けていたら、いずれ体調も崩します。

ですから、間違ったダイエット法は別に機会に詳しく解説するとして、今回は私がおすすめしたい健康的なダイエット法を「健康的ダイエットのための5つの正解」としてお届けします。

1−2. 正しいダイエット2つのメリット

正しいダイエット法を通して手にできるメリットは2つです。

  • 継続できる理想的な体型
  • 現在の健康状態よりも、より高い健康

5つの大切なポイントを難しい言葉で説明するのではなく、簡単にわかりやすく説明していきます。では始めましょう。

(間違ったダイエット法については、「間違いだらけのダイエット/ 7つのNG」として別記事で解説します。)

2. 正解#1. 見えない変化を測ろう

健康的ダイエットのための5つの正解の1つ目は『見えない変化を測ろう』ということです。見えない変化とは、健康的ダイエットによって得られる日々の小さな変化です。この章では、健康的ダイエットによって起こる身体の変化と、その小さな変化を測るための方法について説明します。

2-1. 減らしたいのは脂肪だけ

ダイエットにおいて、私たちが減らしたいのは脂肪です。しかし体には脂肪のほかに筋肉、血液、骨、内臓など大事な組織もあります。健康的ダイエットで減らしたいのは脂肪の部分だけなのに、これらの大事な部分を減らしてしまっては健康を害してしまいます。そんなことをしたら続かないダイエットになってしまいます。

上の図であれば、左から右のようにシフトするのが理想です。これが私たちが目指すべき正しいダイエットです。イメージで言うと、体を白身の肉から赤身にしていくようなイメージです。

その変化をイメージで伝えたのが上の図です。左側の白身肉は、水に入れたらふわっと浮くような体ですね。容積は大きいけれど中身が軽い状態です。

一方、右側の赤身肉は中身が濃く、ずっしり重い。けれど外見はスッキリ引き締まった状態です。健康的ダイエットではこのような引き締まって重い身体を目指すものです。つまり赤身肉を作るのが私たちがやるべき正しいダイエットとも言えます。

2-2. 顔のタルミがとれた証拠

実際に私がダイエットを行った時の変化を紹介しましょう。冒頭にも紹介した写真です。(自分でも驚きました↓)

輪郭が引き締まったのがわかるかと思います。コラーゲンや筋肉が増えたのでしょう。また見た目だけでなく身体の中も血液などが増えて、体調やメンタルもすごく変わりました。ぜひこんなダイエットで目指してください。

でも私の場合、この変化に最初は気が付きませんでした。健康的ダイエットを始めて1年ぐらいしてから「あれ、自分変わってるな」って気がついたんです日々の変化は小さくて簡単には気付かないからです。

日々の小さな変化は、身体の中を覗かないとわからないのです。しかし簡単に身体の中は覗けないので、その変化を見るためのデバイスが必要です。身体の中を覗くためのデバイスとは『体組成計』です。

体組成計を使うと短い時間、たとえば数日から1週間の変化もはっきりとわかります。小さな変化がわかると、ダイエットには大きなモチベーションになります。頑張ろう、なんて思わなくても目に見えて変化がわかるので「もうちょっとやろうかな」って気持ちに自然になっていきます。

2-3. 脂肪だけが減りました

実際に私が変化を測ったときの数字も紹介しましょう。私がこの時やったのは、別記事の「間違いだらけのダイエット」で紹介している「果物のとり過ぎ」をやめたのですが、3ヶ月で下のグラフのような変化がありました。

左は体脂肪のグラフ、右は筋肉量のグラフです。左のグラフを見るとわかるように、ダイエット開始から3ヵ月で、みるみる体脂肪は減っていきました。しかし右のグラフを見ると、減らしてはいけない筋肉はしっかりとキープできていました。体組成計ならこのような変化が日々見れるので、自分は正しい努力をしていることがわかり大きなモチベーションになります。

体組成計を選ぶ時は、データをスマホと連動できるものがおすすめです。体組成計に乗るだけで簡単にスマホにデータが入るので、スマホで身体の変化を実感できるからです。

正しいダイエットを始める第一歩として、このような体組成計を用意してスマホとつないで、身体の見えない変化を測ることから始めましょう。

3. 正解#2. 炭水化物を選ぼう

健康的ダイエット5つの正解、2つ目の正解は『炭水化物を選ぼう』です。ここではまず炭水化物とは何か、そして炭水化物の2つの種類について説明して、その上である種類の炭水化物がダイエットに役立つ理由を解説します。

3-1. 炭水化物とは?

炭水化物とは、『糖と食物繊維がセットになったもの』のことを指します。糖だけでは炭水化物とは言いません。

炭水化物の例としては、ご飯、パン、うどんなどの主食として食べるものや芋類やバナナ、ドーナツなどおかずやおやつとして食べるものもあります。

3-2. 炭水化物は2種類に分けられる

糖と食物繊維のバランスは食品によって異なります。炭水化物には『食物繊維の多いもの』と『食物繊維の少ないもの』があるのです。そのうち、正しいダイエットの中で選ぶべきは『食物繊維の多い炭水化物』です。

どうしてかというと、食物繊維には体内で糖の吸収をゆっくりにしてくれる働きがあるからです。この働きが正しいダイエットのために、そして健康のためにもとても役立ちます。

食物繊維が多い炭水化物を選ぶ3つのメリットは以下の3つです。

  1. 脂肪がつきにくい
  2. 食欲が抑えられる
  3. ヤセ菌の餌になる

ここからは、この3つのメリットについて解説します。

3-3. 脂肪がつきにくくなる

食物繊維が少ない食品をとっていると、体はとても太りやすくなります。脂肪がつきやすくなるのです。まずその理由から簡単に説明しましょう。

食物繊維が少ない炭水化物は糖の吸収が早く、食事を食べた後すぐに糖が血液中に入ってきてしまいすぐ高血糖になります。身体は急激な高血糖によるショックを受け、危険信号としてインスリンというホルモンを分泌します。このインスリンは、血液中から糖を移動させて血糖値を下げます。

このとき血液から追い出された糖は、全身の細胞に無理やり押し込まれます。でも細胞は押し込まれた大量の糖を急に一度には使い切れないので、やむを得ず中性脂肪として蓄積するのです。

つまり食物繊維の少ない炭水化物を常に食べて、血糖値を急に上げることを繰り返すと、常に体に脂肪が溜まリ続けるのです。これは食べた食品のカロリーが少なくても起こるので肥満にまっしぐらです。

一方、食物繊維が多い炭水化物を食べた場合は、血糖値はゆっくりと上昇します。血糖値の上昇がゆっくりなので身体がショックを受けることもなく、インスリンが多量に出ません。そのため血糖値が急に下がることもなく、糖は長時間血液中に留まります。

糖は脳の燃料です。長時間血糖値が安定することによって、脳は長時間燃料が手にはあいり満足するので食欲も更新しません。脳も長く仕事ができます。もちろん、インスリンが多量に分泌されないので糖も無理に細胞内に押し込まれず、脂肪も蓄積されにくいのです。これが理想的な糖の吸収パターンです。

3-4. 食欲が抑えられる

また先ほど説明した通り、食物繊維の少ない炭水化物は吸収も早く、早く空腹になります。一方、食物繊維の多い炭水化物であれば糖の吸収は穏やかで、血糖値が急激に上がらないため、、血糖値が下がるのもゆっくりです。長く血糖値が保たれているので空腹感も生まれず、食欲も抑えることができるのです。

3-5. ヤセ菌を元気にする

私たちの腸内にはバクテロイデスという日和見菌が住んでいます。このバクテロイデスは、ヤセ物質『短鎖脂肪酸』を作ってくれるとても重要な存在です。

ヤセ菌バクテロイデスが作り出す短鎖脂肪酸には、以下のような働きがあります。

  • 食欲、脂肪の蓄積を抑える
  • インスリンの働きを活性化する
  • 腸内を弱酸性でクリーンにする
  • 炎症の抑制、免疫の強化
  • ミネラルの吸収を高める

このようにヤセ物質『短鎖脂肪酸』にはダイエットだけでなく、健康的な身体を作るために重要な多くの働きがあるのです。

このヤセ物質を作るヤセ菌を活性化させるには、餌をふんだんに与える必要があります。この餌が食物繊維です。食物繊維の中でも特に水溶性の食物繊維をとるとヤセ菌は元気になり、ヤセ物質を多く作ります。つまり、多くの水溶性食物繊維を摂ることで、腸内でヤセ物質がたくさん生成されるということです。

『食物繊維の多い炭水化物を選ぶ3つのメリット』は、正しいダイエットには欠かせません。毎日の食事の中ではできるだけ『食物繊維が多い炭水化物』を選びたいですね。

※食物繊維を多くとるにはどんな食品がよいのかは、“続けられるダイエットのための炭水化物の選び方”をごらんください。

4. 正解#3. タンパク質を増やそう

健康的ダイエットのための5つの正解、3つ目は『タンパク質を増やそう』です。

タンパク質を増やす4つのメリットは以下の通りです。

  1. 体脂肪がつきにくくなる
  2. 空腹になりにくい
  3. 代謝がよくなる
  4. 筋肉が落ちにくい

どのメリットも非常に重要な働きなので、1つづつわかりやすく説明します。

4-1.脂肪がつきにくくなる

先程もいったように、糖が急激に血液中に吸収されるような食事をすると、身体は驚いてインスリン(肥満ホルモン)を大量に出して、糖を脂肪に変えます。逆に糖の吸収をゆっくりにできれば脂肪は蓄積されにくくなります。

これには食物繊維が役立つといいましたが、実はタンパク質にもまったく同じ働きがあります。そのため炭水化物を摂るときは、タンパク質も一緒に摂ることがおすすめなのです。

(もし可能なら炭水化物をとる前にタンパク質を摂って、後から炭水化物を摂った方がさらに効果が得られやすくなります。私の場合は食事の前にタンパク質のプロテインサプリを飲み、それから食事をしています。血糖値の急な上昇を抑えるために、可能ならタンパク質を食前に摂るようにしましょう。)

4-2.空腹になりにくくなる

タンパク質には食物繊維と同じように血液への糖の吸収をおだやかにする働きがあり、インスリンの邪魔をされにくくなるので糖は長く血液中に留まることができます。そのため脳が長い時間燃料がもらえて満足でき、空腹を感じにくくなります。

昼食でおにぎりだけを食べた時はすぐに空腹になるのに、タンパク質(肉や魚、ゆで卵など)も一緒に食べると腹持ちがよくなることなどを、あなたも実際に経験しているのではないでしょうか?

4-3.代謝がよくなる

身体は、糖や脂肪を燃やしてエネルギーに変えています。この脂肪燃焼を助ける物質が酵素です。酵素がたっぷりあると代謝がうまくいき、脂肪がよく燃えて体はスマートになります。この酵素の原料はタンパク質なので、タンパク質はダイエットの大きな味方です。

逆にタンパク質が足りないと脂肪は燃えにくくなり、脂肪が付きやすい体になります。ですぁら酵素を作る材料となるタンパク質をしっかり摂りましょう。

(酵素を直接食事で摂ろう、という「夢のような話」もありますがこれは相当怪しい話です。というのも、酵素を食べても体内ですぐアミノ酸に分解されるので、酵素のまま身体に取り入れることはできないからです。)

4-4.筋肉が落ちにくい

筋肉は、寝てる間も糖や脂肪を燃やしてくれる(エネルギーを使う)組織です。筋肉はエネルギーをたくさん使うので身体は万が一食料が不足した時に備えて、出来るだけ使わない筋肉を減らそうとします。しかし、しっかりとタンパク質を摂っていれば身体はタンパク質がたっぷりあることに安心して、筋肉は落ちにくくなります。脂肪を燃やしてくれる筋肉を落とさないためにも、タンパク質をしっかり摂りましょう。

これら4つのメリットのために、タンパク質を増やした方がいいことがわかりますね。

※実際にどうやってタンパク質を増やすのか、良質タンパク質の選び方については、“続けられるダイエットのためのタンパク質の増やし方”をごらんください。

5. 正解#4. ビタミンを補おう

先ほど説明したとおり、正しいダイエットにおいてタンパク質は重要な役割を持ちます。しかしタンパク質単独では、実は十分な力を発揮できません。タンパク質と一緒に摂るとよいのがビタミンです。

5-1.ビタミンを補う理由とは?

ダイエットのためにどんどん燃やしたい糖と脂肪。これらをエネルギーとして燃やすために体内の酵素が働きます。この酵素の働きを助けるのがビタミンです。(ですからビタミンは補酵素とも呼ばれます)つまり酵素とビタミンは相性がいいのですが、その酵素はタンパク質から作られるのですから、タンパク質とビタミンは相性がいいと言ってよいのです。

(酵素が脂肪や糖をエネルギーを燃やす化学反応を、物を高いところまで持ち上げる作業に例えてみましょう。酵素だけでは階段を、1段1段上がらなければいけませんが、ビタミンはその一つ一つの段差になだらかなスロープをつけてくれるような物質です。ビタミンが化学反応を起こしやすくしてくれることで、糖や脂肪の燃焼が促進されるのです。)

このようなとても大きな役割を担うビタミンですが、がむしゃらにいろんな種類のビタミンを摂ればいいというわけではありません。次にダイエットに必要なビタミンの種類についてを説明していきます。

5-2.脂肪と糖の燃焼に必要な2つのビタミン

多くの種類があるビタミンですが、ダイエットのために必要なビタミンは『ビタミンB1』と、『ビタミンB2』です。それでは、これらそれぞれのビタミンの働き、不足するとどんな症状が出るのか、不足させてしまう原因は何か、どんな食品をとればいいのか、について説明しましょう。

5-3.ビタミンB1の働き

ビタミンB1は身体の中の「糖」をエネルギーに変える働きがあります。またそのほかにも、アルコールの代謝や脳・神経の働きを正常に保つためにも必要なビタミンです。

ビタミンB1は、運動や汗で多く消費されてしまいます。運動は正しいダイエットには欠かせませんが、この点注意が必要です。

B1が不足すると肥満以外にも、肩こり、筋肉痛、疲労、アルコール中毒、脚気、食欲不振、記憶力や集中力の低下、音に敏感になる、神経炎 などが起こるので注意が必要です。

そのため運動や汗で多く消費されるビタミンB1は、ダイエットのためにもしっかりと補うことが大切です。ビタミンB1は玄米、未精製の穀類、豚肉、レバーなどの食品に多く含まれます。中でもおすすめは麦(ごはんと一緒に炊いて食べる)、豚肉、豆です。

5-4.ビタミンB2の働き

ビタミンB2の働きは「脂肪」をエネルギーに変えることです。そのほかにも脳や肝臓の働きに関与したり、皮膚・粘膜の代謝(成長促進)などの働きもあります。

ビタミンB2もビタミンB1と同じように運動や汗によって多く消費されるビタミンです。またお酒を飲むことでも多く消費されます。

ビタミンB1が不足すると肥満以外にも、肝臓機能低下、老化、疲れ目や目の充血、口角炎、口内炎、皮膚・粘膜に炎症、成長が鈍る などが起こります。ダイエットのためにも、そしてこのような不調を防ぐためにも、ビタミンB2も不足させない努力が必要があります。ビタミンB2は卵、納豆、チーズ、青菜などの食品に多く含まれています。

しかしダイエットのためにこれらの食品を不足させないように、いつもいつも意識するのは難しく、長続きしません。ですから不足の予防には、毎日の食事に加えてサプリメントを飲むことを私はおすすめしています。

5-5.ビタミンのサプリメントをおすすめする4つの理由

ダイエットに大切な役割を持つビタミンB1やビタミンB2ですが、毎日気軽に飲めるマルチビタミンのサプリメントで摂ることがおすすめです。マルチビタミンのサプリメントをおすすめする理由は4つあります。

  1. 保険的な活用(不足防止)
  2. 他のビタミンも補える
  3. ビタミンの相互作用
  4. カロリーを増やさず補える

5-6.保険的としてのサプリメント

ビタミンをサプリメントで摂ることで、不足してしまう状況をほぼ予防することができます。というのも先程ご説明した通り、運動や発汗によって体内でビタミンは消費されますし、栄養士さんでも無い限り食事で確実にとることは難しいからです。サプリメントなら常に簡単に補うことができます。

最低限のビタミンをサプリメントで補っておいて、食事はおまけ上乗せぐらいのつもりでいられたら、保険のように安心です。

5-7.他のビタミンも補える

ビタミンAとかB1とかB2とか、それぞれ単独の限られた種類だけ入っているサプリメントもありますが、『マルチビタミン』という形でほぼすべての種類のビタミンが入っているいるサプリメントもあります。

ダイエットのために特にしっかり摂りたいのは確かに『ビタミンB1』と『ビタミンB2』ですが、マルチビタミンなら他にもたくさんのビタミンを一度に摂ることができ、身体全体の機能の向上が期待できるのでおすすめです。

5-8.ビタミンの相互作用

マルチビタミンのサプリメントに含まれるビタミンは、相互に作用しあって助けあって働くため、さらにビタミンB1やビタミンB2の効果をアップすることが期待できます。

たとえばビタミンCはコラーゲンを増やすのに役立つので引き締め効果が期待できますし、ビタミンEは血流をよくするので代謝を上げるので、総合的に健康的ダイエットの役に立つわけです。

5-9.カロリーを増やさず補える

先程説明した通り、たとえばビタミンB2は納豆や卵に多く含まれています。しかし、これらの食品のカロリーは意外と高いため、‟ビタミンを補う”という目的は果たせますが、そのために余分なカロリーまで摂ることになってしまいます。

それに対し、余分なカロリーをとらなくて済むのがサプリメントです。

6. 正解#5. 無理のない運動習慣を作ろう

健康的ダイエットのための5つの正解、最後は『無理のない運動習慣を作ろう』です。運動というと、多くのカロリーを消費する激しい運動が必要ではないかと思われがちですが、実は軽い運動でも十分効果を得られます。実際ハードな運動はつらいので続けにくいです。それよりも無理のない続けられる運動習慣を築いていくことが大切です。

運動によって得られるメリットは2つあります。

  1. エネルギー代謝を改善する
  2. やせホルモンの感受性を高める

それぞれ分けて説明していきます。

6-1.エネルギー代謝を改善する

人間の身体は筋肉と脳で多くのエネルギーを燃やしています。その割合は筋肉が4/5に対し脳が1/5で、ほとんどのエネルギーを筋肉で燃焼しています。筋肉は運動している時はもちろん、寝ている時にもエネルギーを燃やします。だから筋肉が多いことはダイエットに好都合です。

しかし身体は、長く飢餓を経験しているのでエネルギーを極力効率的に使おうとしているので、エネルギーを大量に使う筋肉はできる限り減らそうとします。そのため、運動などで使っていない筋肉はすぐに減ります。これは過去の飢餓の時代には適していても、現代の飽食の時代のダイエットに好ましくない身体の性質です。

このように使わなければ減ってしまう筋肉ですが、運動習慣を持つことで体に必要性をアピールすれば維持できます。しかもハードな運動でなくとも、ダイエットのためなら少し負荷でもいいのです。軽い運動なら習慣にもしやすいので、続けられる軽い運動を始めることが大切です。

6-2.2種類の筋肉、2種類の運動

筋肉のタイプには2種類あり、一つは持久力のための筋肉、もう一つは瞬発力を出す筋肉です。それぞれの筋肉で鍛え方が異なりますので、自分に合わせた運動方法・習慣を作っていきましょう。

持久力アップの運動に準備するものは以下の通りです。

  • 万歩計やスマートウォッチ
  • 歩きやすい靴
  • 気に入った帽子
  • 反射板
  • 懐中電灯
  • 白い上着

まず景色がいいところや気に入った建物がある場所など、気分のよい気に入ったコースをさがすことがおすすめです。また、万歩計やスマートウォッチなどを使って、歩数をカウントすることで今これで1000歩、などとモチベーションが上がります。

また、歩きやすい靴や気に入った帽子などをそろえることで、継続してやるきっかけになります。そして何より安全に運動することが大切なので、反射板や懐中電灯、白い上着などを使ってくれぐれも安全な場所で行いましょう。

瞬発力のための筋肉をつけるためには

  • ダンベル体操
  • YouTube
  • 階段

などの運動がおすすめです。

ここで忘れていけないのは、タンパク質などの栄養をしっかり摂ることです。これらを意識して自分に適した無理のない範囲で負荷をかけて、気分よく続けられる運動を続けていきましょう。

7. やせホルモンの活性化

運動には、実はもう1つのメリットがあります。それは『やせホルモンの感受性を高まること』です。

私たちの身体に脂肪がつくと、やせホルモン(レプチン)が分泌されます。このやせホルモンを脳が検知すると、食欲を抑えて脂肪を燃やす(代謝を上げる)スイッチが入って肥満を抑えてくれます。

ところが、このありがたいやせホルモンの働きをを邪魔するホルモンがあります。それが肥満ホルモンのインスリンです。つまりやせホルモンを活発に働かせるためには、インスリンが過剰に分泌されないことが大切になるのです。

ではインスリンを過剰に分泌させないためにはどうしたらいいでしょうか?やるべきことは以下の3つです。

  • 運動習慣をつける
  • 食物繊維の多い炭水化物を選ぶ
  • タンパク質をしっかり摂る

まず一つは、前の章で説明したように運動習慣をつけることです。運動はインスリンが出過ぎるのを抑えて、やせホルモンを元気にしてくれます。

次に食事の面では、炭水化物を食物繊維の多いものを選び、タンパク質をたっぷりと摂ることもインスリンの過剰分泌に有効です。食物繊維やタンパク質を多く摂ることで、血糖値の急上昇が起こらなくなり、インスリンが出にくくなるのです。

(炭水化物やタンパク質とインスリンの関係については、前章『正解#2 炭水化物を選ぼう 3-3.脂肪がつきにくくなる』で詳しく解説しています。)

運動は少し緩くても、気持ちがいい範囲で行うのが続けやすくのおすすめです。その日の運動を終えた後、翌日もやりたいと思えるような運動習慣をつけていきましょう。

8. まとめ

『健康的ダイエット5つの正解』について解説してきました。私が最後にお伝えしたいメッセージは何事も『頑張りすぎていることは続かない』ということです。

短い時間だけやれば済むことなら、それは頑張れるでしょう。しかしダイエットは一生続けていくことです。無理なことは結局続かないので、また体重が増えたり減ったりジグザグのリバウンドを繰り返してしまいます。それはもう嫌ですよね。それよりは、軽く無理なく続けて健康的な方がよほどいいと思います。

ここに紹介した5つの正解も、一遍にやろうと思うと思うときついです。1つづつゆっくり、少しづつ1~2年かけて全部をやっていく、または3~4年かけてもいいんじゃないでしょうか。そのためにもこの記事を保存して、また読み直してみてください。

私は頑張るのは苦手です。頑張るって思うと続かなくなってしまいます。自分でもできそうかな、と思うことだけ続けられるタイプです。私以外にもそういう人は意外と多いんじゃないでしょうか。ぜひ頑張りすぎずに1つ1つ、自分を褒めながら続けてみてください。

健康アドバイザー 小川康夫

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間違いだらけのダイエットPART-1 /7つのNG

あなたはダイエットを頑張ったのに「しばらくしたら元の体重に戻った」「体重は落ちたけど体調が悪くなりダイエットをやめた」「肌ツヤが悪くなった」。そんな経験はありませんか?もしかして、その原因は自分の努力不足だと勘違いしていないでしょうか?

それは違います。失敗の原因はあなたではなく、無理で続けられない”間違ったダイエット”にあるのです。ここでは、よくある間違った7つのNGダイエットを紹介します。間違いの原因を知って、今度こそ継続できる健康的ダイエットにシフトしてください。

健康アドバイザー 小川康夫

NGダイエットと健康的ダイエットの違い

代謝が上げて脂肪がよく燃える体を作る=健康的なダイエットなら、下のチャートのように体重は徐々に下がり、落ち着いていきます。あなたのやってきたダイエットも正しいものだったら、一度落とした体重をずっとキープできるはずなのです。

ところが多くの人が体に無理な間違った方法をやっています。このようなやり方は、一時的に強引に体重を落としても、結局体が耐えられないので続きません。元の体重に戻るか、さもなければ体調を崩してしまいます。ですから下のチャートのようなリバウンドを繰り返ていくのです。体に無理な方法を繰り返すのですから、健康にとっても最悪です。

健康的で正しい方法なら、継続できる理想的な体型と、より高い健康な体が手に入るはずなのです。

ここでは、リバウンドを繰り返す間違ったNGダイエットを7つご紹介します。今度こそ健康的で正しいダイエットを始めるきっかけにしてください。それでは始めましょう。※”健康的ダイエット5つの正解”はこちら

1.  NG#1:頑張ってはいけない

やってはいけないダイエット、1つ目は「頑張ってはいけない」ということです。これには3つの理由があります。

1-1. ストレスは体を太らせる

1つ目の理由は、頑張り続けることは体にとってストレスだということです。体にストレスがかかると、副腎という腎臓の上の小さな臓器からストレスホルモンが出てきて、次の2つのことが起こります。

ひとつは成長ホルモンという代謝を上げるホルモンが抑制され、代謝が下がること。もうひとつは肥満ホルモンと呼ばれるインスリンが増えることでです。つまり代謝が下がると同時に、体に脂肪がつきやすくなるのです。

つまり体はストレスを受けると、それに対抗して体を守るために太ろうとするのです。まじめに頑張れば頑張るほど太りやすくなってしまうわけです。

このように頑張ることで肉体や精神的に負担をかけると太りやすくなるので、ダイエットは楽しく、楽な気持ちで取り組みましょう。

1-2. “〇〇ダイエット”で栄養欠陥に

頑張ってはいけない2つ目の理由は、〇〇ダイエットと呼ばれるものの多くが栄養的な欠陥を伴うので、頑張り過ぎると体を壊すからです。たとえば“トマトダイエット”、“バナナダイエット”などです。

これらは栄養的な偏りがあるので、当然の反応として体は食欲を亢進させます。お腹がとても空くのです。そこを我慢して頑張るのが〇〇ダイエットの実態です。

頑張るほど必要な栄養が不足します。体にとってはもう拷問です。体重は落ちるでしょうが体はガタガタ。我慢が限界に達したときドカンと食べてダイエットは終わります。つまり”〇〇ダイエット”は栄養欠陥を伴うことが多く、頑張った反動でリバウンドしやすいのです。これが2つ目の理由です。

1-3. 自己肯定感まで失ってしまう

3つめの理由は、頑張るダイエットは楽しくないから続かない。続かないから結果も出ないということです。

例がちょっと違いますが英語も同じです。私はずっと何十年も英語の学習を続けていますが、それは楽しく学ぶ方法を見つけたから続いているのです。ダイエットも同じです。頑張るダイエットは続かないので、一度は体重が落ちてもまたリバウンドするのです。

”頑張っては続かない”の繰り返しは、「自分は何をやってもダメなんじゃないか」と自信を失わせます。つまり自己肯定感の喪失です。これは人生の大損失です。

何度もダイエットを繰り返すことで、自分はダイエットだけでなく仕事もダメなんじゃないかと、思っている方が結構います。残念なことです。ぜひ頑張りすぎない正しい方法を見つけて、自信も取り戻して欲しいと思います。

やってはいけないダイエット、1つ目は「頑張ってはいけない」ということでした。

2.  NG#2:流行を追ってはいけない

2つ目のNGは何でしょうか?それは「流行を追ってはいけない」ということです。

テレビや雑誌、現在はスマホで検索したりして様々な流行のダイエット法を目にします。でもこれがやってはいけないNGの2つ目です。なぜかというと流行の多くはマーケッティングのために作られたものだからです。今までの流行したダイエット法をちょっと振り返ってみましょう。

2-1. 消えたダイエット法

過去に流行ったダイエット法を簡単にリストアップしてみました。2000年代には「白いんげんダイエット」「朝バナナダイエット」、「トマトダイエット」。2010年代では「サバ缶ダイエット」「塩麹ダイエット」「糖質制限ダイエット」。これ以外にも「りんごダイエット」「こんにゃくダイエット」「ゆでたまごダイエット」というのもありました。

でもこれらは一時的に流行り、いつの間にか消えました。結局みんな続かなかったということです。(たまに復活することもありますが、また消えます)

なぜ続かないのでしょう?体に無理な負担のない、体が喜ぶような方法であれば続くはずです。続かないのはこれらに栄養的な問題があるからです。

2-2. 流行のダイエットの正体

その理由を知るために、流行がどうやって作られるか考えてみましょう。テレビやメディアはCMのスポンサーからのお金で動いています。つまりビジネスの都合で中身が決まります。流行の裏側には、企業によるお金儲けの企みがあるのです。

具体例として、トマトダイエットを紹介しましょう。以前名古屋での健康セミナーの後、参加された方々とお茶をしてたとき、流行のダイエットの話題になりました。その中のお一人が「あれは仕組まれています」というのです。

その時は「トマトダイエット」が流行っていた時です。その方はスーパーに勤めているそうで、トマトダイエットの放映一週間ぐらい前に、テレビ放映があるのでトマト関係の缶詰などの仕入れを増やすように、と指示があったそうです。

そして1つの流行がひと段落すると、また次、となるのです。こんなことに振り回されていては、ダイエットに失敗するだけではなく、自分の健康まで害してしまいます。

テレビだけでなく雑誌も同じです。地厚のカラーページがたくさん使われている雑誌は、一冊のコストが何千円もなります。それが数百円で買えるのにはちゃんと後ろにスポンサーがいるからなのです。

だから、流行のダイエット法は追いかけてはいけません。ぜひ気を付けてください。

3.  NG#3:カロリー計算をしてはいけない

3つめのNGは、「カロリー計算をしてはいけない」です。実際私はカロリー計算はしていませんが、今まで体型が大きく変わったり体脂肪が増えたりということがありません。

3-1. 続かない=結果が出ない

ではその検証のためにカロリー計算に挑戦してみましょう。一般的な人の一日の推定エネルギー必要量を調べると、例えば30代、40代の男性は約2,700kcalで、女性は約2,000kcalだとわかります。

実際このカロリーを意識して、下のような表を使って、ご飯一膳で何kcal、ギョーザで何kcalと計算するわけです。どうですか、毎日できそうですか?私はたった1回で、ギブアップです。普通の人は毎日計算するなんて無理ですし、続きません。続かないことでは結果を出すことも無理です。

3-2. カロリー計算の代わりの方法

ですから私はカロリー計算はしません。その代わり食べすぎないようにはしています。でもちょっと食べ過ぎてしまう時はもちろんあります。そのような「やってしまった!」時の対策は立てています。どうしたらいいか、答えはとても簡単です。

3-3. 食べ過ぎたときの対処法

食べ過ぎたな、と思った時には次の食事の量を減らせばいいのです。例えば「お昼に食べ過ぎた」と思ったら、夕飯はバナナとプロテインのシェイクだけで終わりにするとか、お豆腐とおかずだけにしてみたり、軽くサラダを食べて終わりにするなどして調整するのです。

これなら、もし仮に1回にいつもの倍の量を食べてしまったとしても、次の食事をほぼゼロに近くすれば簡単に総カロリーをいつと同じに調整できます。誰でも楽しい時やお祝いにドカンと食べてしまうときがあります。しかしそれを我慢させられたら、ダイエットは続きません。

ですから、カロリーを気にすることはいいのですが、細かいカロリー計算は結局続かない方法だといえます。食べ過ぎたな、というときには次の食事を軽くすることで調整しましょう。

4.  NG#4:糖質制限をしてはいけない

NGダイエット4つ目は、「糖質制限をしてはいけない」ということです。確かに糖質を減らすと体重が減るのですが、よい方法とはいえません。何故か?糖質制限で体重が減る理由と、体に悪い理由を解説しましょう。

4-1. 燃料不足で思考力が低下する

私たちの体でエネルギーを多く必要とする部分は、筋肉と脳です。そして筋肉のエネルギー源は<糖質と脂質>で、脳のエネルギー源は<糖質>だけです。

これはとても大切なことですので覚えておいてください。

では、糖質制限を頑張ると何が起こるでしょうか?そうです、脳の燃料が無くなるのです。

筋肉は糖質と脂質を燃料にできるので、糖質がなくなっても脂質で補うことができます。でも脳は糖質がなくなると、燃料切れの状態になり頭がボーっとして、思考力や記憶力も低下します。脳が緊急事態に陥るのです。そしてさらに次の問題が起こります。

4-2. さらなる問題、タンパク質が壊される

そこで体は脳にエネルギーを供給するために、不足した分の糖を無理にでも作ろうとします。どうやるのかというと、大切なタンパク質を壊して糖を作るのです。

タンパク質は、炭素(C)と水素(H)と酸素(O)窒素(N)の4つの元素からできているので、分解すれば糖(C+H+O)を作れるのです。

でも問題は、どのタンパク質を壊すのかということです。ここで壊されるのは筋肉や血液、肌のコラーゲンなど、体の大事な部品です。つまり糖質制限を頑張ると糖の不足を補うため、健康の素になっているタンパク質が壊されて糖を作ってしまうので、ボロボロの体なってしまうのです。

そして、このとき確かに体重は減ります。タンパク質の多い筋肉やコラーゲンは重いものだからです。(試しに筋肉と脂肪を水に浮かべてみると水に筋肉は沈みますが、脂肪は浮きます。筋肉はとても重いことがわかりますね。)

だからタンパク質が分解されることで体重は減ります。でも体の中ではとんでもない健康被害が起こっているわけです。

4-3. リバウンド体質になる

さらにダイエットにとって悪いのは、糖質制限で筋肉の量が減るのでエネルギー代謝の悪いリバウンド体質になることです。筋肉は脂肪や糖を燃やす機関です。その筋肉が減るのですから脂肪も糖も燃えない体になるのです。

さらにコラーゲンが失われてたるみやシワ、それからタンパク質を多く含む血液が失われることで全身の活力も失う、という怖いことも起こります。

だから体重が減るからといって糖質制限をすると、大切な宝物を壊しているのと同じです。絶対にやめた方がいいのです。

5.  NG#5:体重を減らそうとしてはいけない

やってはいけないNGダイエット5番目は「体重を減らそうとしてはいけない」ということです。また何かおかしなことを言ってるなと思うかもしれないですが、ここではダイエット=体重を減らすことではない、ということをしっかり理解してください。

5-1. 脂肪より先に減る筋肉

からだは主に3つの成分からできてます。水、タンパク質、脂質です。体重を減らそうとして食事を減らすとこの3つのうちの何が一番はじめに減るのでしょうか?それはタンパク質です。減らしたいのは脂肪分なのに、タンパク質が先に減ってしまうのです。なぜでしょうか?

その理由はこの後説明しますが、タンパク質が先に減ることで何が起こるか、結論を先に言いましょう。タンパク質を多く含む筋肉が失われ、代謝が下がり太りやすいリバウンド体質になります。

同時に、タンパク質からできているコラーゲンや血液も減るので、顔がシワっぽくなり、全身の健康レベルも下がります。こ体にとって良くないことばかりです。では何故、タンパク質が先に減るのか説明しましょう。

5-2. 貯蓄はできるだけ使わない

人は食べ物の栄養素を使い、同時にいざというときのために蓄えています。ではもし入ってくる栄養が減ると、この蓄えをすぐ使うのでしょうか?

違います。蓄えは先に使わずに、まず栄養の消費を減らそうとするのです。つまりまず筋肉を先に減らそうとします。

その理由を人とお金に例えて説明しましょう。例えばあなたは働いていて収入があります。この収入を消費に使い、一部は貯蓄に回しています。さっきの体のエネルギーの使い方と同じですね。

ここでもし収入が減った場合、あなたは何を最初にしますか?まず貯金を取り崩しますが、それとも不要な支出から減らしますか?

あなたに経済観念があれば、いきなり不足分を貯金でまかなおうとはせず、無駄な消費から先に減らすはずです。貯金に先に手を付けるのはその後です。そうでないと、不測の事態に使える備えが無くなってしまうからです。

人間の体もまったく同じです。人の体は生き延びるための知恵として、とても合理的に反応します。いざというときの貯蓄の脂肪は使わずに、エネルギーを消費する筋肉をできるだけ減らそうとするのです。

ですから食べる量を減らすと、エネルギーを多く使う筋肉が先に減るのです。重い筋肉が減るので当然すぐ体重が減ります。この理屈を知らない人は、ぬか喜びをします。でも体は筋肉の少ない、食べればすぐ脂肪のつくリバウンド体質になったのです。怖いですね。

5-3. 体重減らすな脂肪を減らせ

もう一度整理しましょう。私たちが目指すところは体重を減らすことではなく、無駄な脂肪を減らすことです。これが一番大事なことです。でも、やみくもに体重を減らそうとして食べる量を減らすと、タンパク質の多い筋肉やコラーゲンや血液が減ってしまい、脂肪は減らないのです。

筋肉の多い体は引き締まっていて重いです。コラーゲンが多い体も重いです。見かけがすっきり引き締まっているけど体重が重い人、これが健康的ダイエットの目指す結論です。

ですので、大事な結論を覚えておいてください。「体重減らすな、脂肪を減らせ」です。体重を減らすことに懸命になるのは、やってはいけないNGダイエットです。

6.  NG#6:果物をとりすぎてはいけない

やってはいけないダイエット6つ目は、「果物をとりすぎ」です。

これも結構「えぇっ?!」と思う人も多いのではないでしょうか。健康に気を付けている人ほど果物を食べるようにしていると思うのですが、これから解説する果物の問題点を知ってからは、私も食べ過ぎないよう気を付けています。

6-1. 果物のメリット

たしかに果物にはメリットもあります。まずイメージが健康的です。そしてイメージだけでなく、実際に体によいビタミンや食物繊維も多く含まれています。

そして果物の糖分は甘さがスッキリしています。果糖という糖分が多いからです。果糖は少量でも甘く、しかも血糖値を上げにくいので血糖値を気にする人にも人気です。ブドウ糖果糖液としても飲み物や加工食品にも多く使われています。

でも最近になって、果物に含まれている果糖のデメリットが次々と分かってきました。

6-2. 果物の4つのデメリット

その1つ目のデメリットは、果糖は脂肪になりやすいことです。普通の糖はインスリンがないと中性脂肪になれませんが、果糖はインスリンの助け無しに中性脂肪になります。つまり果糖は中性脂肪になりやすい、体に脂肪がつきやすい糖なのです。実際私の知り合いでも、果物が原因で中性脂肪が高い人がいましたし、私も果物を減らしたら体脂肪がすぐ減りました。これが1つ目のデメリットです。

2つ目は満腹感が得にくいことです。普通のブドウ糖は、とるとすぐ血糖値が上がるので脳は満腹感を感じますが、果糖は血糖値を上げないので満腹感が出ず、いくらでも食べてしまいます。罪悪感なく食べ過ぎてしまうのです。

そして3つ目は肝臓の負担を増やすことです。果糖はそのままエネルギーとしては使えません。これをエネルギーとして使えるように、肝臓でブドウ糖に変換します。その時に肝臓に非常に負担がかかるのです。ですから果物をとりすぎると脂肪肝になりしやすくなるのです。これが3つめのデメリットです。

4つ目のデメリットは体の糖化です。糖化とは、ベトベトした糖が組織にくっついて体が砂糖漬けになることです。これは体の老化を進めます。ですので果糖のとり過ぎは体の老化を進めます。果物は体にいいと思っているのに、まったく反対の結果をもたらしてしまうわけです。

このような害は、昔の甘みの少ない昔の果物では起こらなかったのですが、最近は品種改良で甘さが追求されたことで害のある多く果物が出来てきました。ぜひ気をつけてください。

6-3. 100%ジュースの危険

甘い果物と同じく注意してほしいのは100%果汁ジュースです。100%というとなんとなく体に良さそうに思えますが、もちろんこの甘さの元は太りやすい果糖です。

また100%果汁でなくても、清涼飲料水によく使われている果糖ブドウ糖液も同じ性質があります。果糖は冷やすほど甘さが出るので、清涼飲料によく使われるのです。

ちなみに、アメリカの私の友人には太っている人が多いのですが、その原因も清涼診療の果糖だと私は思っています。というのは、彼らはウォッカなどの強いお酒を清涼飲料で割ってたくさん飲むからです。これらの中のブドウ糖果糖液が大量に体脂肪になるのでしょう。スポーツ飲料にも注意が必要です。買うときは裏面の成分表示をよくチェックしてください。

さらにブドウ糖液は値段も安いので、出来合いのお惣菜の調味料としてもよく使われています。こちらもぜひ表示をみて避けるようにしてください。

6-4. 害の少ない果物の選び方

もしそれでも果物を食べたいときにはできるだけ甘さの少ないものや、熟していないものを選ぶようにしてください。バナナはちょっと小腹がすいたとき、繊維質も多くお勧めです。でも熟れてしまうと果糖が増えてきますので、できるだけ青さの残るバナナ、熟れていないものを選んでください。

それからリンゴは、9月になるとブラムリーという青リンゴが出てきます。これは主に調理用のリンゴで、酸っぱくて甘さが少ないのが特徴です。私はリンゴは大好物なので、やめられません。なので選ぶときはこういう甘さの少ない、熟していないものを選ぶようにしています。それから大切なのは、美味しくても一口でやめておくことです。(これが難しいのですが)

そして果物をたくさん摂れないことでビタミンなどの不足が予想されますが、それはサプリメントで補うようにするといいと思います。(この点についても詳細は別記事、”健康的ダイエットのための5つの正解”をご覧ください。)

果物をよく食べている人は、減らすと思いのほかすぐ体脂肪が下がるのでぜひ試してみてください。

7.  NG#7:ハードな運動をしてはいけない

やってはいけないNGダイエット、7つ目は「ハードな運動をしてはいけない」ということです。ダイエット中は頑張ってジョギングしたりする人もいると思いますが、ハードな運動は要注意です。なぜでしょうか?

7-1. 1時間の運動で減るのはたった脂肪25g

ハードな運動がいけない理由の1つ目は、運動だけではなかなかダイエットの効果は出ないからです。

例えば25gの脂肪、これは送料80数円の普通の封書の重さですが、このわずかの重さの脂肪を燃やすためには、少し早足で1時間歩かなければなりません。時速5、6キロの早歩きで毎日1時間歩けますか?実際はなかなか難しいと思います。

それに1時間も運動したらそれなりにお腹も空きますが、何かを少し食べたらその運動の効果は消えてしまいます。たとえば1時間の早歩きは、おにぎり1個食べたらすぐチャラになるエネルギー量ですし、2時間でもショートケーキ1個食べたらアウトです。

でも1〜2回なら運動後お腹が空いても我慢ができるかもしれませんが、これが毎日となったらやっぱり何かを食べたくなるでしょう。ですから運動だけでダイエットするのは、なかなか効果が出にくいのです。

7-2. 体を壊しては元も子もない

2つめの理由は体を壊すリスクです。

ハードな運動をするには、相応の休息、そして栄養素をかなりしっかりとらなければいけません。筋肉や関節のケアの知識も必要です。これ無しで激しい運動をするのは体にとっては拷問です。

つまり知識もなく、ハードな運動するのはひたすら体を壊しているのと同じなのです。結局続かずダイエットの結果も出ません。よほどボディメンテの知識がない限りハードな運動はおすすめできないのです。

7-3. 健康的ダイエットにシフトしよう

間違いだらけのダイエット7つのNGを紹介してきました。いかがでしたか?よいと思ってやっていたことが間違っていた、という発見がいくつかあったのではないかと思います。

これをきっかけに、正しい健康的なダイエットについて興味を持たれた方は、別記事の”健康的ダイエットの5つの正解”をぜひご覧ください。

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続けられるダイエット / タンパク質の増やし方

あなたは「食事制限して減量したのに、結局またリバウンド」という経験はありませんか?カロリーを減らすのはよいことですが、必要な栄養まで不足させてはいけません。体は危険を感じ必然的に食欲が亢進します。また食べてリバウンドするのは当然の反応なのです。

体の維持に本来重要で、しかもダイエット中は特に必要になるのがタンパク質です。 ここでは健康的ダイエットに必要なタンパク質の、具体的増やし方について紹介しましょう。これでリバウンドする無理なダイエットからサヨナラしてください。

(※タンパク質とダイエット効果ついては健康的にダイエットするための5つの正解”を参照)

健康アドバイザー 小川康夫

1. タンパク質の多い食べ物の選び方

タンパク質には大きく分けて植物性タンパク質と動物性タンパク質の2種類があります。そのうちダイエットにおすすめなのは、動物性のタンパク質(肉、卵、魚など)です。ではなぜ動物性タンパク質がおすすめなのか、説明しましょう。

1-1. 動物性タンパク質がおすすめの理由

そもそもタンパク質とは、アミノ酸が長くネックレスのように繋がったものをいいます。ネックレスのようなタンパク質を食事で摂ると、体内で消化酵素が長いつながりを分解して、バラバラのアミノ酸の状態にします。

私達はこのバラバラのアミノ酸をもう一度つなげて、今度は自分独自のネックレス(タンパク質)を作らなければなりません。この並び方を決めるのがあなたの遺伝子です。こうして遺伝子の指示通りに、バラバラのアミノ酸を再度並べて新しいネックレス(タンパク質)を作ります。これがあなたの筋肉や血液です。

つまり、人間に必要なのは最終的にはアミノ酸ですから、タンパク質の価値や質を決めるのは含まれているアミノ酸しだいです。

私たちの身体を作るのに必要なアミノ酸は、動物性タンパク質に比較的多く含まれています。それは私達が動物だからです。植物性アミノ酸には、人間の身体では利用できないアミノ酸もあります。私たちが植物ではないからです。つまり人間にとって利用できるアミノ酸が多いのは動物性のタンパク質なので、動物由来のタンパク質のほうが、植物由来より比較的に質が高いのです。

1-2. 植物性たんぱく質のメリット

でも、植物由来のタンパク質を摂ることにもメリットはあります。具体的には、食物繊維が多いこと。その他レシチン、ビタミンが含まれていることです。

しかし食物繊維やレシチンそしてビタミンは、他の食べ物からでも補うこともできるので、やはりタンパク質をとるためなら動物性のものがいいでしょう。

以上のことから、ダイエットのために『酵素やエネルギー、筋肉が作られやすくなる』ためのタンパク源は、一般的に動物由来のタンパク質がおすすめです。では次章では、タンパク質を一日にどのくらい摂ったらいいのかについて説明します。

2. タンパク質の増やし方、計算方法

前章で、植物由来のタンパク質よりも動物由来のタンパク質を摂った方がよいと説明しました。ここではそのタンパク質をどのくらい摂ればいいのかについてを説明します。厚生労働省で出している食事摂取基準のタンパク質の量をもとに、確認していきましょう。

2-1.  食事摂取基準のタンパク質量

下の図は男性のタンパク質の摂取基準表です。これを見てみると30〜49歳男性なら一日に88〜135gのタンパク質が目安だとわかります。

女性のタンパク質の目標量は下の図を見てください。30〜49歳の女性なら一日に67〜103gが目安ということになります。

しかし、どのような食品にどのくらいのタンパク質が含まれているのか計算するのは難しいですね。そのため、計算シートを用意しました。

この表を使って、一日のおよその摂取量を計算してみましょう。

タンパク質計算シートはこちらです。https://drive.google.com/file/d/1gVnzwNCfe6V6Tw25jf76wLNjgVmwz0Oc/view

計算してみるとわかると思うのですが、多くの方はおそらく足りていません。不足分は肉などのタンパク質を足すことで目標量に近づけることができます。できれば脂身の少ない(脂肪分の少ない)ものを選んで食べましょう。肉だけでなく、卵を選ぶのもよいですね。

2-2. サプリメントのメリット

また、食事からだけでなくプロテインのサプリメントでタンパク質を補うのもとてもおすすめです。サプリメントには、ほとんど脂肪分が入っていないので余分な脂肪を取らずに、必要なタンパク質だけを補うことができるからです。

それからプロテインのサプリメントを飲む場合、できれば食前にとるのがおすすめです。これは食前にタンパク質を摂ることで、その後食べる食事による血糖値の上昇を抑えてくれるからです。結果的にサプリメントを食前に飲むことで、身体に脂肪がつきにくくなります。

(タンパク質と血糖値の上昇との関係は『健康的ダイエットのための5つの正解 正解♯3』で詳しく解説しています。)

私もプロテインのサプリメントは食前に飲むようにしています。しかし私の奥さんは食前に飲むのは、食事が美味しくなくなるからと食後にサプリメントを飲んでいます。もちろん食後でも、サプリメントを飲まないより飲んだ方が良いことは変わりないです。絶対ではないけれども可能であれば食前に摂る、という飲み方をするとよいでしょう。

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続けられるダイエット / 炭水化物の選び方

あなたは「炭水化物をカットしたら一時的に体重が減ったけど、またリバウンドした」という経験はありませんか?実はこのような非科学的な根性ダイエットは続きません。炭水化物は必要な栄養素なので、減らしすぎたら身体は拒否反応をするは当然だからです。大切なのは炭水化物カットすることではなく、正しくを選ぶこと。それが続けられる健康的ダイエットの第一歩です。

今回は具体的な炭水化物の選び方を紹介しましょう。これで安心して炭水化物が食べられるようになってください。(炭水化物の詳しい役割ついてはこちら→”健康的ダイエットのための5つの正解”

健康アドバイザー 小川康夫

1.食物繊維が足りないデメリット

炭水化物とは、糖と食物繊維がセットになったものです。食物繊維には糖の吸収を穏やかにする働きがあるので、食物繊維が多い炭水化物を食べると糖はゆっくり吸収されるので、腹持ちがよくなります。逆に食物繊維が少ないと糖はすぐ吸収されてしまい、腹持ちは悪くなります。

そして炭水化物には、食物繊維の多いものと少ないものがあります。このことがダイエットにどう影響するのでしょうか?ここではまず、食物繊維の少ない炭水化物を食べると何が起こるかについて解説しましょう。

食物繊維が少ないと、糖の血液中への吸収が早く血糖値が急に上がります。すると血糖値の急上昇に反応して大量にインスリンが分泌され、その働きで短時間で血糖値が下がります。すると脳は、糖不足=燃料不足を察知して身体に「何かを食べなさい」と命じます。ですからものを食べたばかりなのに、またすぐお腹が空くのです。つまり食物繊維の少ない炭水化物を食べている人は、食事を摂ってもすぐに空腹になるのでダイエットがとても難しくなります。

これに対し食物繊維が多い炭水化物を選ぶと、血糖値の上昇に伴って分泌されるインスリンが少ないので血糖値の急低下も起こりにくくなります。結果として長く血糖値が維持でき、脳の満足も長く続きます。つまり食物繊維の多い炭水化物を選んでいる人は、血糖値が下がらないので空腹になりにくく、食べ過ぎも防げるのです。

つまり食物繊維が少ないものを食べると→太りやすくなり、食物繊維が多いものを食べると→太りにくくなる、ということです。ですから無理しない、健康的ダイエットのためには食物繊維の多い炭水化物の選ぶとよいのです。

2. 食物繊維の多い炭水化物はどれ?

ここからは具体的に食物繊維の多い炭水化物は何かを解説しましょう。

日々の主食となるごはんは、白米よりも玄米や麦、5分づき米がおすすめです。あるいはこれらを白米に混ぜても食物繊維を多めのごはんになります。パンなら白いパンよりも全粒粉やライ麦パンがおすすめです。その麺類ならうどんよりも蕎麦、芋ならじゃがいもよりさつまいもを選ぶと、食物繊維をより多く摂ることができます。

おやつに選ぶなら、アイスクリームやドーナツなどの加工されたお菓子よりナッツやバナナ(できるだけ青く熟れていない硬めのもの)を選びましょう。

3. プラスするとよい食品

さらに、炭水化物以外で食物繊維がとれるおすすめの食べ物についてご紹介します。これらを摂ることでさらに食物繊維の量を増やせますし、白米や白いパンをやめられない人、繊維不足を感じている人もその弊害を緩和できます。

まずヤセ菌の餌になる水溶性の食物繊維の多い食べ物は

  • 海藻
  • こんにゃく
  • りんご
  • バナナ

これら4つの食品は食事素材として増やしたり、おやつとして摂ることをおすすめします。リンゴやバナナは食後のデザートとして食べるのも満足感が得られるため、おすすめです。さらに次のような食物繊維の多い食品も積極的に食べるようにしていきましょう。

水溶性・不溶性食物繊維のどちらも多い食品

  • ごぼう
  • 人参
  • キノコ
  • 納豆
  • アボカド

これらの食品を、例えば毎日の味噌汁に入れるなど食事のルーティンに入れると、頑張らず自然と食物繊維を増やすことができますし、おまけに食物繊維の働きで、食欲を抑制されるヤセ菌も増やすことができます。(詳しくは”健康的ダイエットのための5つの正解”を参照)

4. がんばらないことが大事

最後に、これらは『絶対に食べなければならない』と決めるのではなく、『できればこっちを選ぶ』という習慣にしていくのがおすすめです。無理に一気に切り替えようとするとストレスになり、せっかく正しく続けていくためのダイエットが辛く負担になり、結局続かなくなってしまいます。

無理のない範囲から始めて、ゆっくりこのような食事パターンへと少しずつシフトしてみてください。