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コースクリエーターのための極上健康法3

体重や外見を気にして食べ物を制限することはありませんか?確かにカロリーを控えることも大切ですが、そのことで脳や体の機能維持に欠かせないタンパク質が不足するリスクがあります。タンパク質不足は、外見の老化、脳や体の機能低下の恐れがあるのです。

コースクリエイターとしてパフォーマンスを発揮するためには、タンパク質を不足させてはなりません。このセクションでは脳や体の基本材料となり、パフォーマンス向上に不可欠なタンパク質を取り上げます。

92歳の母と、大好きな奥日光にて

1.脳と体の質を変えるタンパク質

脳や体の約40%はタンパク質でできており(水分を除く)、日々タンパク質が入れ替わることで細胞がリフレッシュしています。つまり体はタンパク質が主な原料ですから、良質なタンパク質をとり続けることが体調維持に重要なのは一目瞭然です。タンパク質の役割についてもう少し具体的に見ていきましょう。

1-1.脳の土台になる

脳はその構造上、タンパク質が土台となっています。この脳の土台も日々生まれ変わって新陳代謝していますので、脳の健康のためには、良質なタンパク質を補給してしっかりした構造を維持していく必要があります。

1-2.全身をコントロールする脳内ホルモンになる

人間の脳は心身を健康に保つために、脳内ホルモンなどの物質を分泌して、脳や体の各部位にさまざまな指令を出しています。この脳内ホルモンなどの脳内物質にもタンパク質が使われます。
喜怒哀楽などの情動に関わるノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは、3大脳内ホルモンといわれていますが、下の図のようにコースクリエーターのパフォーマンスにも大きく影響しています。

なお、図の一番下にあるGABA(ギャバ)はアミノ酸の一つで、脳内ホルモンではありませんが、アドレナリンやドーパミンを抑制してストレスを低減させる働きのある脳内物質です。GABAもタンパク質から体内で合成されます。

1-3.外見や体調に影響する

人間の見た目を形成する皮膚や筋肉、骨、爪、毛髪はどれもタンパク質でできています。また体内の内臓や血液、酵素、ホルモン、免疫物質など生命維持や体調に関わるものにもタンパク質が使われています。

1-4.脳への酸素供給にも影響する

人間が考えたり表現活動をしたりする時、脳は大量の酸素を必要とします。仮に1分間でも酸素供給が不足すると脳の機能は低下してしまい、10分間酸欠の状態になると脳細胞は死んでしまいます。

脳に酸素を運んでいるのは赤血球のヘモグロビンといわれるタンパク質です。ヘモグロビンはタンパク質の土台にヘム(鉄分)が結合したものですから、タンパク質は脳への酸素供給にも影響しています。

タンパク質の役割を4つの視点から取り上げましたが、タンパク質は筋肉や皮膚などの外見だけではなく、脳など内面のパフォーマンスにも大きく影響していることがお分かりいただけたかと思います。タンパク質は油と並んでコースクリエーターのパフォーマンス向上に重要な栄養素であることをご理解いただいた上で、次にタンパク質にはどのような種類があるのかについて見ていきましょう。

2.人間に最良のタンパク質とは

タンパク質は肉や魚、大豆などから摂ることができますが、一口にタンパク質といってもその”質”は食材によって大きく異なります。どんな食材からタンパク質を摂ればいいのか判断する手掛かりにするため、タンパク質はどのようにできているのかを見ていきましょう。

2-1.タンパク質はアミノ酸の集合体

タンパク質はアミノ酸という物質が結合してできています。自然界には数百種類のアミノ酸がありますが、下の図のように、各種のアミノ酸がネックレスのように結合して、人間用のタンパク質や動物用のタンパク質など異なるタンパク質がつくられています。

2-2.人間に必要なアミノ酸は20種類

人間の体の材料となるタンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせによりつくられますが、肉や魚、豆などはアミノ酸の組み合わせが異なるためタンパク質をそのまま使うことはできません。(仮にもし、そのまま使ったとすると、体の一部が豚肉や豆になってしまいます、笑)

そのため、肉などから摂ったタンパク質を消化酵素によってバラバラのアミノ酸に分解し、再度必要な形にアミノ酸を並べなおして人のタンパク質がつくられます。

2-3.遺伝子によって独自のタンパク質が合成される

人間はそれぞれ見た目も違えば性格や能力も異なりますが、それはあなた専用のアミノ酸を並べ方が書かれた遺伝子が大きく関係しています。

遺伝子にはあなた独自のアミノ酸の並べ方が書かれており、あなたの外見や性格を決定するタンパク質がつくられています。つまり、遺伝子はあなたの外見や性格などを決定する設計図であり、その設計図に沿ってタンパク質ができるのです。

2-4.アミノ酸が不足するとどうなる?

人間に必要な20種類のアミノ酸は食事により摂取するのが理想です。でももしアミノ酸が不足するとどうなるのでしょうか。

タンパク質の摂取量が不十分であったり、量は十分であってもアミノ酸の種類が偏ったりしていると必要なタンパク質をつくる材料が足りなくなってしまいます。

そうなると、脳の土台や脳内ホルモンの生成、体の各部位の新陳代謝が進まなくなって、体力や思考力、集中力の低下などの悪影響につながります。

つまり遺伝子の持っているパフォーマンスを最大限発揮するには、20種類のアミノ酸は十分な量をバランスよく摂取することがとても重要になるわけです。次の章では、アミノ酸をバランスよく摂ることができる具体的な食材の選び方について解説します。

3.最良のタンパク質がとれる食べ物

20種類ものアミノ酸をバランスよく摂るとなると難しいパズルのように感じられるかもしれません。でも最初に種明かしをしてしまうと、人間に近いアミノ酸のセットを持つ食材からタンパク質を摂取すれば大丈夫です。

タンパク質には、大きく分けると動物性のものと植物性のものがありますが、人間は動物なので、動物性のタンパク質のほうが人間に必要な20種類のアミノ酸を多く含んでいます。中でも豚肉鶏肉牛肉青魚のタンパク質は、人間にとって最適といえます。

ダイエット指向が強い方や自然派の方は、植物由来のタンパク質を上質と捉えがちかもしれませんが、それでは必要な種類のアミノ酸を摂取することは難しく、ダイエットや健康増進にとっても逆効果です。

では次に、どれだけの量のタンパク質を摂取すればいいのでしょうか。次の章で必要なタンパク質の量についてチェックしてみましょう。

4.タンパク質の過不足チェック

人間に必要な20種類のアミノ酸を摂るためには、動物性タンパク質を中心にどれくらい食べればいいのか見ていきましょう。

4-1.タンパク質摂取目標量

日本人が健康を保持、増進するために必要な栄養の量は、厚生労働省から研究成果※が公表されています。かなり大部の報告書ですが、タンパク質の摂取目標量を抜粋したのが下の図です。
「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」厚生労働省

「身体活動レベル」のⅠは1日座って過ごすことが多い人、Ⅱは家事や軽い運動、軽作業をしている人、
Ⅲは立ち仕事や習慣としてスポーツをしている人が目安

30代と40代で活動レベルⅡの方を例にすると、タンパク質の目標量は男性が88グラムから135グラム、女性が67グラムから103グラムとされています。卵1個に含まれるタンパク質は約6グラムですから、卵10個以上に相当するタンパク質が必要ということになります。

4-2.食材に含まれるタンパク質

では私たちがふだん口にしている食材にタンパク質はどれくらい含まれているのでしょうか。1日の食事から摂ったタンパク質を計算するためのシート※を用意しています。下の図はその抜粋です。
「本日のタンパク質 計算シート」

例えば鶏のもも肉の一食分に含まれるタンパク質は約11グラムですが、三食すべて肉料理や魚料理にしても、タンパク質は不足しがちなのがお分かりいただけると思います。あなたが実際に摂取しているタンパク質の量もぜひ計算してみてください。摂取目標分のタンパク質を摂れていますか?

十分にタンパク質が摂れていないからといって、やみくもに食事の量を増やせばいいわけではありません。食べ過ぎると今度はカロリーが多くなり過ぎてしまい、体脂肪が増えてしまうからです。そこで次章では、タンパク質を摂取する有効な方法として、サプリメントによる補給についてお話ししていきます。

5.プロテイン・サプリのメリットと使い方

脳や体のパフォーマンスを向上させるためには、カロリーにも注意を払いながらタンパク質を十分に摂取する必要があります。この2つのテーマを同時に解決するには、プロテインのサプリメントでタンパク質を補給するのが有効です。プロテインのメリットと使い方を解説します。

5-1.低カロリーでタンパク質を補給できる

プロテインというと、筋力トレーニングに取り組む人向けのサプリメントのように思われがちですが、脳機能から外見まで左右する良質なタンパク質を低カロリーで効率よく摂取することができるので、高いパフォーマンスを発揮したいコースクリエーターも是非取り入れたいサプリメントです。下の図をご覧ください。

卵や納豆などの食材でタンパク質を摂ろうとすると、カロリーを摂取しすぎてしまうことがお分かりいただけると思います。一方、同じ量のタンパク質をプロテインで摂ると、卵の約半分、納豆の約3分の1のカロリーで済みます。

5-2.20種類のアミノ酸をバランスよく摂取できる

タンパク質はただ量を増やすだけではなく、アミノ酸のバランスも重要というお話をしました。

食事だけでは人間に必要なアミノ酸をバランスよく摂取できるとは限りませんが、20種類のアミノ酸が配合されてている良質なプロテインを選べば理想的なタンパク質が確実にとれます。私も活用しています。

5-3.プロテインの使い方

タンパク質の摂取目標量と、食事から摂れるタンパク質の計算方法は前章でご紹介しました。プロテインのサプリメントなら、コーヒーのメジャースプーン山盛り1杯でタンパク質が約10グラム補給できるイメージです。あなたの食事を見返して必要な量のタンパク質を補ってください。

コースクリエーターとして成果を出すには、時には長時間集中して仕事をすることもありますが、十分なパフォーマンスを発揮するために、まず油を変えること良質なタンパク質を十分に摂ることの2点をご紹介しました。

次のセクションでは、体の機能を向上させる食事について紹介します。今回の体の質を向上させる食事と合わせて取り組んでいただくとさらに効果的です。

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コースクリエーターのための極上健康法2

あなたは油についてどのようなイメージをお持ちですか?健康によくない、ダイエットに逆効果など、あまり良くないイメージを思い浮かべるかもしれません。

ところが実は、脳と体の働きを最適化する大きなポイントとなる栄養が油です。人間の脳や体は半分以上が油でできており、やみくもに食事から油を減らすことは健康にとってマイナスになりかねません。それどころか、油は脳や体の状態を調整する重要な役割を担っています。

このセクションでは、脳と体の働きを最適化する方法の一つとして、油の役割と正しい摂り方を取り上げます。なお途中の説明では聞き慣れない用語も出てくると思いますが、用語を覚えることが目的ではありませんので、その点はあまり気に留めず楽に読み進めてください。

ポンコツシトロエンの旅、R18碓氷峠にて

1.脳と体の質を変える油

冒頭でも少し触れましたが、脳の約60%、体の約50%は油でできています(水分を除く)。さらに油は脳や体をコントロールする役割もあります。まず油の役割について詳しくみていきましょう。

1-1.脳の機能に直接影響する油

油を摂ると140億個あるといわれる脳神経へ運ばれて、脳神経の周りにある膜に入り込みます。下図の黄色の部分です。

この黄色の部分の油は、必要に応じて脳神経の調整物質の原料にもなります。局所ホルモンやプロスタグランジンと呼ばれる物質で、脳神経や精神、気分といった脳の機能に直接影響しています。

1-2.全身の細胞を保護し調整物質にもなる油

また油は脳だけでなく、全身の機能にも大きく影響します。人間の体は37兆個ともいわれる細胞によりできていますが、一つひとつの細胞を保護する細胞膜は油でできています。この細胞膜が劣化すると、細胞が十分に保護されないどころか害をもたらし、さまざまな健康トラブルの原因になってしまいます。

さらに油が原料となって作られる局所ホルモンは、脳だけでなく全身の細胞機能を調整する役割も担っています。

1-3.脳や体は油によりコントロールされている

ですから油というとつい”高カロリーのエネルギー源”とだけ思われがちですが、実は体を健康に保つための調整物質の原料として重要な役割を担っているということです。つまり油の選び方次第で、脳神経機能や細胞機能を調整する物質のバランスが変わり、神経や精神、気分、体調、免疫、アレルギー、血流を変化させ、コースクリエーターのパフォーマンスにも大きな影響を与えてしまうのです。

油についてあまり良くないイメージを持っていた方も、油の重要性をお分かりいただけたのではないでしょうか。

では実際にどんな油を摂ればいいのでしょうか。実は現代の食生活では油の選び方にもリスクが潜んでいますので、次章で詳しく解説しましょう。

2.最適な油の選び方

油は神経や精神、気分、体調、免疫、アレルギー、血流などを調整する物質の原料になります。そしてその種類によって作られる調整物質の種類も変わり、体にもたらす作用が異なります。ここでは油の種類ごとにその特性をみていきましょう。

2-1.タイプが異なる4種類の油

油は脂肪酸とグリセリンという物質が結合してできています。含まれる脂肪酸の種類によって油は主に4系統に分けることができます。

上の図では左から硬い順にバターやラード、オリーブ油、サラダ油、青魚(EPA・DHA)が並んでいます。バターやラードは常温では固形、オリーブ油はややどろっとしており、サラダ油や青魚の油は食感もサラサラしています。

これらの油は、含まれる脂肪酸がそれぞれ飽和脂肪酸、オメガ9系、オメガ6系、オメガ3系で、脳や体をコントロールする効果も大きく異なります。

特にこの中でオメガ6系のサラダ油とオメガ3系の青魚はサラサラした部類の油ですが、効果はアクセルとブレーキに例えられるほど相反しています。この2種類の油の効果を詳しくみてみましょう。

2-2.ブレーキのようなオメガ3系の油

青魚などに含まれるオメガ3系は、ブレーキのように体を穏やかに働かせる作用があります。具体的には

  • 血行を良くする
  • 生活習慣病の原因になる血管の炎症を抑える
  • 腸内環境や免疫も整えてくれる

といった、現代人の救世主ともいえるような重要な効果をもたらしてくれます。

また学習や集中力、落ち着きに影響する脳神経にもいい効果があることが研究※で分かってきています。

「脳を襲う油脂(あぶら)」第105回日本精神神経学会総会資料より

2-3.アクセルのようなオメガ6系の油

これに対してサラダ油などに含まれるオメガ6系の脂肪酸は、アクセルのように炎症やアレルギー症状を促進する作用があります。具体的には

  • 血行を抑制する
  • 血管を硬化させる
  • 炎症を促進し血栓をつくる
  • アレルギー症状を亢進する

といったものです。どれも体に悪いものばかりのようにみえますが、けがなどによる出血を止める、体内に入ったホコリなどの異物をアレルギー反応により外に出すといった必要な働きでもあります。

2-4.現代の食生活の問題点

ただ現代の食生活では、手軽に使えるサラダ油を過剰に摂取しがちということが問題です。家庭でサラダ油を主に使いますし、外食での揚げ物や炒め物、ドレッシングやお菓子など加工食品にもサラダ油が多く使われているからです。

アクセルのような働きがあるオメガ6系の油とブレーキのような働きがあるオメガ3系の油は、バランスよく摂取するのが理想的です。でも現代食ではオメガ6系の油ばかり多くバランスを欠いてしまっていることが大きな問題です。その結果、動脈硬化などの生活習慣病やアレルギーが増えていると考えられます。

では、具体的にどのように食生活を改善すればいいのでしょうか。次の章で詳しくお話しします。

3.増やしたい油、減らしたい油

脂肪酸のバランスが悪くなってしまいがちな現代の食生活。改善策はサラダ油を減らし、青魚などのEPAやDHAを増やすことですが、もう少し具体的に油の選び方を説明しましょう。

3-1.できるだけ青魚を食べる

血行をよくすることで脳の働きも良くするEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は是非とも食生活に取り入れたい油です。できれば1日に1食は新鮮な青魚を食べるのが理想的です。ただ青魚でも大型の魚は水銀やカドミウムなどの有害な金属を蓄積しているので、小型のアジやサバがお勧めです。毎日青魚を食べるのが難しいのであれば、2日に1食といった具合でも構いません。

3-2.アマニ油やサプリメントで補給する

青魚を毎日食べるのが難しい場合は、同じオメガ3系の油であるアマニ油を使うのもお勧めです。ただどちらも酸化しやすいため、冷蔵庫に保管して早めに使い切る必要があります。加熱には向かないので、ドレッシングのように料理にふりかけて使うといいでしょう。

またEPAやDHAのサプリメントもお勧めです。安い商品もありますが、信頼できるブランドで上質なものを選びましょう。真空の状態で油を抽出したものや、カプセル入りで酸化を防いだものだと安心です。

以前我が家で飼っていた柴犬の痴呆が進んだので、上質なEPAのサプリメントを与えたことがあります。するとひどかった夜鳴きがなくなり、落ち着いてくれたことがありました。このようにEPAやDHAは脳の働きに影響するので、是非取り入れていただきたいと思います。

3-3.サラダ油やバターの代わりに良質なオリーブ油を使う

外食産業ではコストを下げるためにではどうしてもサラダ油をメインに使っていますし、ご家庭でもサラダ油を使われているところも多いのではないでしょうか。外食は止むを得ないとしても、まずはご家庭で使う油をサラダ油から良質なオリーブ油に変えてみることをお勧めします。

またバターも摂り過ぎると血行が悪くなってしまいます。バターはたまに使う程度にして、少しずつオリーブ油に置き換えたほうがよいでしょう。

オリーブ油はバターの代わりにパンに塗ってもいいですし、物足りないと感じられるようなら、少し塩を加えるとバターのような感じになります。またバルサミコや醤油、酢などで味付けしてドレッシングとして使うのもお勧めです。

ここまで具体的な油の選び方を解説しましたが、すぐに全部を実践するのは難しいでしょう。まずは自分に合う良質なオリーブ油を探してみて、サラダ油の摂取量を全体で半分に減らすことを目標にしてみるのはいかがでしょうか。また青魚を毎日食べたいところですが、難しければサプリメントを試してみるのがよいでしょう。

大事なことは無理なく続けるパターンを作ることです。最終的な目標の半分であっても、脳と体が変わっていくことは実感できるはずです。それがモチベーションとなってさらによい油に置き換えていくことを目指してください。

4.とってはいけない2つの油

ここまで脳と体の働きを最適化する油の選び方についてお話ししてきましたが、健康を害するリスクのある油についても触れておきましょう。この記事で食生活の改善に関する意欲が高まった機会に、生活習慣病を防ぐ食生活にも取り組んでいただきたいと思います。

4-1.酸化した油

避けていただきたい油の一つは酸化した油です。同じ油で繰り返し揚げ物をつくると酸化が進み、毒性の高い油になります。これが全身の細胞に取り込まれて体全体の老化をすすめます。

サラダ油は揚げ物にもよく使われますが、酸化しやすい油なので、ご家庭で揚げ物をつくる場合は常に新鮮なサラダ油を使うか、ラードのように酸化しにくい油を使ってください。

レストランや総菜屋で調理される揚げ物やスナック菓子は、安いサラダ油を繰り返し使うので酸化した油になっていると考えたほうがいいでしょう。ですから外食する場合はできるだけ揚げ物を避けるようにしてください。

4-2.トランス型脂肪酸

避けるべき油2つ目はトランス型脂肪酸です。これはサラダ油などのサラサラした植物油を半固形状にするために人工的につくられるマーガリンやショートニングなどに含まれる油です。またクッキーやケーキなどのお菓子や調理パンにも多く含まれています。トランス脂肪酸は栄養としても価値がないだけでなく、摂り過ぎると健康を害するリスクが高まります。

世界保健機関(WHO)もトランス型脂肪酸と生活習慣病の関連性を指摘しており、トランス脂肪酸の摂取量を抑えるための取り組みを各国に呼び掛けています※。成分表に「トランス脂肪酸」とか「マーガリン」と表示してある食品はできるだけ避けてください。

「トランス脂肪酸に関する国際機関の取組」農林水産省HP

これらの有害な油を食べると全身の細胞や脳神経に運ばれて、細胞の健康と調整機能に悪影響をもたらし、全身のパフォーマンスが落ちるだけではなく、ガンや動脈硬化、老化の原因になります。これらは今日からすぐに摂るのを止める、あるいは極力減らすようにしてください。

今回のセクションでは、脳と体の材質を最適化するポイントになる栄養の一つとして、油についてお話ししました。次回は二つ目のポイントとしてタンパク質について解説します。

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コースクリエーターのための極上健康法1

あなたがコースクリエーターとしてパフォーマンスを上げるために大事だと考えているものは何ですか?パソコンやカメラなどの機材でしょうか。確かに良い機材を使えば成果物の見栄えもよくなるでしょう。でももっと大事なものが置き去りになっていませんか?

コースクリエーターのパフォーマンスを最大化するために必要なもの、それは意欲やアイデアの源となる脳や体の最適化です。

脳や体の最適化とはどのようなことなのでしょうか。脳や体を最適化する方法やコースクリエーターとしてどのような変化があるのか、私自身の経験も交えながらご紹介します。

大好きな映画「男はつらいよ」の舞台となった柴又にて

1.機材やスキルより大事なもの

魅力的なオンラインコンテンツを制作するために、マイクやカメラ、照明などの機材、スクリプト(原稿)やエディターなど、良いものをお求めになるのはもっともなことです。でも機材やソフト、スキルが揃っていても、何となく意欲がわかない、アイデアが浮かばないようではパフォーマンスも上がらないのではないでしょうか。

パソコンに例えると、意欲やアイデアを生み出す肝心な部分がOSです。マイクなどの機材やスクリプト、エディターなどは、OSからの指令を実行するアプリといえます。最新のアプリを使っても、肝心のOSがガタついているとアプリの性能も台無しになってしまいます。

コースクリエーターにとってのOSは、脳と体です。脳と体が健康でなければ、やる気も出ない、アイデアも浮かばない、集中力も続かない、さらに顔色や声にも影響してしまい、何もいいことがありません。

コースクリエーターとして脳と体を最適化するために必要なものは何でしょうか。それは体づくりの基礎となる食事の最適化です。

忙しいからといって、食事をデリバリーやコンビニに頼っていませんか?でもそれではパフォーマンスが上がらず、作業に余計な時間が掛かってしまう悪循環に陥りがちです。また良質な食事がとれない状態が続くと、疲れや体のコリなど体の不具合も蓄積してしまいます。

私自身、食事の最適化に取り組んだことで、コースクリエイターとして大きな変化がありました。脳と体を健康な状態に保つことで頭の回転も早くなり、スクリプトなしで動画を制作しています。私に起きた変化については、次の章で詳しくご紹介しましょう。

2.脳と体の最適化で変わる3つのこと

私は健康アドバイザーとして長年講演活動をしてきましたが、途中からここで皆様にお勧めする脳と体の最適化を自分でも実践し始めました。そこで起きた3つの変化をご紹介しましょう。

2-1.外見の変化

顔の皮膚は新陳代謝をして日々少しずつ入れ替わっていきますが、鏡で見たのでは毎日の変化は小さくてなかなか気づかないものです。ところが数年たって、過去の写真を見たとき顔が明らかに変わっていることに気づきました。

左の写真は48歳当時のもの、右の写真は52歳当時のものです。約4年後のほうが輪郭が引き締まり、肌のつや、髪の毛が若返ったように見えます。また表情から自信も感じられ、印象が大きく変わったと思われませんか?約4年間、脳と体の最適化に取り組んだ結果、こうも変わるものかと自分でも驚きました。

2-2.頭の働きの変化

講演活動を始めたばかりの頃は、2時間の講演が長く感じていました。レクチャー中には何を言おうとしていたのか分からなくなったり、疲れを感じることもありました。

でも脳と体の最適化に取り組んでいくうちに、頭の働きにも変化が起きていることを実感しました。最近では2時間の講演が5分で終わるような感覚になり、レクチャーでもよどみなく言葉が出るようになりました。頭の働きが良くなったおかげで、仕事が楽になり余裕を感じるようになっています。

2-3.メンタルの変化

もともと私は神経質で、仕事中も家族のことが気になったり、他人の細かいことまで気になったりする性格でした。でも脳と体の最適化に取り組むようになってから、性格がおおらかになってきました。

ある講演で大学医学部の先生がグループで参加されていました。そういう先生方がいらっしゃると緊張してしまうものです。でも大らかな性格になっていた私は、「たとえ偉い先生がいても、大多数の参加者は私のレクチャーを聴きに来ているのだ」と前向きに捉えて堂々とお話しすることができました。その結果、参加者のみなさんも先生方も楽しみながら話を聴いておられました。

私は15年間講演を続けながら脳と体の最適化に取り組んできました。振り返ってみると、これだけ講演の仕事を続けられたのは、このメンタル面の変化が一番大きかったと感じています。

ここまで私の経験に基づいた脳と体の最適化の効果をご紹介しましたが、次のような疑問を持たれるかもしれません。

1点目は、コースクリエーターとして成功してゆとりができたから健康にも投資することができたのではないかという疑問です。でも現実はその逆です。神経質だった私が、全国70の都市で約7万3000人に講演するまでの人気講師になれたのは、脳と体を最適化したからです。コースクリエーターとしての脳と体をバージョンアップしてこなければ、ここまでの仕事はなし得なかったと断言できます。

2点目は、こんなすごい変化が自分にも起きるとは限らないのではないかという疑問です。確かに科学的な根拠がなければそう考えられるのも無理はありません。そこで次の章では、脳と体を最適化することで起きる変化について科学的な証拠を示しながら解説しましょう。

3.あなたも変化できる理由

脳と体を最適化することであなたが本当に変わることができるのか、今度は科学的な面から見ていきましょう。

3-1.60歳を過ぎても筋肉は増大する

NHK「みんなで筋肉体操」にも出演されている近畿大学谷本道哉准教授(生物理工学部人間環境デザイン工学科)より、適切なトレーニングを行えば筋肉は60歳を過ぎても若者と同等に増大するという研究成果※が発表されています。

年齢を重ねると筋肉は衰える一方だと諦めてしまいがちですが、まだまだ活躍したいという方には嬉しい研究結果ではないでしょうか。

※「80歳でも筋トレをするべき)といえる科学的な理由PresidentOnlineより

3-2.3か月で体の大半が生まれ変わる

人間の体の細胞は日々生まれ変わっていることはご存じの方も多いかと思います。短いスパンのもので、腸壁の微絨毛や胃粘膜は1日~3日、心筋や肝臓、腎臓、皮膚、筋肉は22日~30日で生まれ変わっています。

約3か月すると血液も生まれ変わります。私の経験上3か月間適切な食生活やサプリメントによる栄養補給を続けると、体の変化を実感することができます。あなたにも、まずは3か月続けることを目標にしていただきたいと思います。

そして1年から2年で骨まで生まれ変わります。2年間も正しい食生活を続けると、その変化は大きな自信につながるのは間違いありません。あなたも2年前の自分の写真を見ると驚かれるかもしれません。

3-3.脳神経細胞も年齢に関係なく増える

かつては脳細胞だけは再生できないといわれていましたが、コロンビア大学による最近の研究によれば※、脳神経細胞も年齢に関係なく増えることが分かっています。

筋肉だけではなく、脳神経細胞も年齢に関係なく成長するということですから、これは嬉しい反面、もう年齢を言い訳にはできないともいえそうです。

※「脳神経細胞、年齢に関係なく増える」NewsWeekより

3-4.病気でも体調は変えられる

私が小学3年生の頃、父は慢性の病気にかかり根治は難しいと診断されました。私が健康について興味と食生活の改善に興味を持ったのは、父の病気がきっかけです。その後、父にも食生活の改善を勧めたところ、病気とは思えないほど体調が良くなり、医者も驚くほどでした。そして、世界中を旅行し人生を楽しんで87歳の天寿を全うしました。

左の写真は幼少期の私と父、右の写真は父母の近影です。
母は現在91歳ですが、自分で車を運転して出掛けるほど元気に過ごしています。

たとえ病気であっても体調を変えることで楽しい人生を送った父を見てきましたので、あなたが変われないはずがないと私は断言できます。ぜひ今回のコースをご覧になって実際に体験していただきたいと思います。

今回のセクションでは、脳と体を最適化することでどのような変化が起きるのかをご紹介しました。次回からは本編として脳と体の材質を最適化する方法と、機能を高める方法をご紹介します。

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食べる投資 / 最善の食事とサプリメント PART-3 油

あなたは食用油売り場で何気なく「サラダ油」を手にしていませんか?サラダ油は軽い口当たりでクセがないし、植物油なら健康にもいいと思われるかもしれませんが、あなたの健康にとっては実はベストな選択肢ではありません。

油は体に不可欠な栄養素です。でも、油の種類によっては生活習慣病の引き金となってしまうものもあります。

PART3では、油の役割とともに、避けたほうがいい油やとり過ぎに注意したい油、代わりに取り入れたい油について解説します。途中ではやや難しいと感じられるかもしれませんが、最後に具体的な油の選び方をまとめていますので、気軽に読み進めてください。

最近オープンした友人のカフェにて

1.油が欠かせない理由

健康のコアとなる三大栄養素のお話、3つ目は油です。

人間の体は約20%前後が油、すなわち脂肪でできています。もしかして「体脂肪は少なければ少ないほどいい」とか、「油の摂取は極力控えたほうがいい」などとお考えではないでしょうか?

実は油は生命の維持にも関わるような重要や役割を担っています。極端な制限は体に害になる場合もあります。まずは油の役割をしっかり理解して、正しい油のとり方を身につけてください。

1-1.油の5つの役割

油には次のような役割があります。

1つ目は体を動かすエネルギーの貯蔵庫としての役割です。主に筋肉を動かすために必要なエネルギーの供給源となります。

2つ目は体を保護する役割です。衝撃から骨や内臓を保護したり、体内の温度を適温に保ったりしています。

3つ目は栄養の吸収、運搬という役割です。ビタミンなどの中には水に溶けない性質のものがあり、油によって吸収や運搬を助けています。

4つ目は細胞膜の材料としての役割です。人間の体は数十兆個の細胞でできており、その周りの細胞膜は油でできています。細胞膜が悪い油によって劣化すると、全身の細胞が劣化してしまい、健康も損なわれてしまいます。

5つ目は体の微調整をする物質の原料としての役割です。具体的にはホルモンやホルモンに似た局所ホルモンなど、体のさまざまな機能を正常に保つ重要な物質の原料になります。

1-2.「油=毒」にしない食生活が重要

いかがでしょうか?油の大切さをわかっていただけたと思います。冒頭でも少し書きましたが、「油は体に悪いもの」とか「体脂肪は生活習慣病の根源」と考えられがちです。確かに、過剰な体脂肪は健康に良くないのも事実です。でも、油は健康を保つために不可欠な栄養素ですから、やみくもに摂取量を減らせばいいというわけではありません。

もうお気づきの方もおられるかもしれませんが、重要なことはやみくもに油を制限するのでなく、油が「害」になる場合を知ってそれを避けることです。では、どのような場合に油が有害となるのかみていきましょう。

2.油が「害」になる時

私たちが口にする油は、様々な種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。油の種類、メリットとデメリットを知って油が害になる場面を減らしていきましょう。

2-1.油の性質は脂肪酸で決まる

油は、グリセリンと脂肪酸という物質が結合してできたものです。グリセリンは脂肪酸と結合するための手を3本持っており、グリセリンと3個の脂肪酸が結合すると油になります。

脂肪酸には主に4つのタイプがあり、どのタイプの脂肪酸がグリセリンに結合するかによって油の性質が決まります。硬い油とは、硬い脂肪酸が結合した油のことで、柔らかい油とは、柔らかい脂肪酸が結合した油のことです。

2-2.油の種類による害

硬い油と柔らかい油のメリットとデメリットは表裏一体の関係の関係にあります。下の図をご覧ください。一番左(バター、ラード)から硬い順に油が並んでいますが、硬い油ほど血流を悪くさせ、柔らかい油ほど光や加熱に弱く酸化しやすくなります。

血流が悪くなると、

  • 心筋梗塞を起こしやすくなる
  • 代謝が悪くなる
  • 脳への血の巡りが悪くなる

などの悪影響があります。

また、油が酸化すると有害物質となり、体にとってさまざまな悪影響をもたらしてしまうのです。

このように、バターやラードは酸化に強く、加熱調理に向いていますが、血流にとってはあまり良くありません。逆に、青魚の油は血流にはいいものの、酸化が進みやすく、加熱や保存には不向きです。

2-3.サラダ油など植物油の害

現代の食生活では、コーン油や大豆油などの植物油がサラダ油として多く採り入れられています。植物性の油というと、体に良さそうなイメージを持たれるかもしれませんが、実はここに含まれる脂肪酸には炎症やアレルギー症状を促進するという怖い作用があるのです。

さらに、サラダ油は青魚の油に次いで酸化しやすく、サラダ油で加熱調理した揚げ物や炒め物を食べることは、酸化した油を摂取していることにもなります。


サラダ油や酸化した油は、体にどのような悪影響があるのか、次の章でもう少し詳しく解説します。

油の種類によってさまざまなメリットやデメリットがあることがお分かりいただけましたか?よい効果と悪い効果が入り乱れており、どの油を使えばいいのか少し混乱されたかもしれません。

でも怖がる必要はありません。まずここでは、油の種類により血流への影響酸化しやすさに違いがあること、サラダ油には炎症を促進する作用があることを押さえておきましょう。

続いて減らしたほうがいい油と増やしたほうがいい油を詳しく説明していきます。

3.減らしたほうがいい3つの油

油は重要な栄養素ですが、どの油にも何かしらの弱点があります。概要は前章で説明しましたが、そのまとめとして具体的に摂りすぎに注意したほうがいい油を3つご紹介しましょう。

3-1.サラダ油(コーン油、大豆油)

コーンや大豆から作られるサラダ油は摂りすぎると炎症やアレルギー症状を促進する怖い効果があります。つまり摂りすぎると動脈硬化など体へのダメージとなってしまうので、できるだけ摂りすぎないようにしましょう。

サラダ油には健康的イメージもあり、安く製造することができて食感が軽いため、食用油として多く出回っています。加工食品やお菓子にもサラダ油が使われており、ドレッシングやパンなど原材料に「植物性油脂」と書いてあるものはすべてそうです。

また、マーガリンやショートニングなどは水素添加という技術でサラダ油を固形状にしていますが、別の意味で毒性があるといわれています。

サラダ油を完全に避けるのは難しいかもしれません。でも、家庭ではマーガリンではなくバターやオリーブ油を使うようにしたり、外食ではサラダ油を使っている料理をできるだけ避けたりして、少しずつ体へのダメージを減らす食生活に変えていきましょう。

3-2.サラダ油の揚げ物、古い青魚

サラダ油や青魚の油は光や熱により酸化が進みやすい油です。ですから揚げ物などに使って加熱すると簡単に酸化します。酸化した油はガンや動脈硬化を引き起こす原因になります。

動脈硬化が進むということは、認知症や心筋梗塞、脳梗塞などの病気や、全身の老化にもつながるということです。このように酸化した油は毒性が強いので、意識して避けたほうがいいでしょう。

特に外食や惣菜屋、スナック菓子などの揚げ物は、同じサラダ油を繰り返し使っていることが多く、酸化した油が含まれていると考えたほうがいいでしょう。油揚げやがんもどきなどの食材も同様です。

また、青魚も古くなると油が酸化していきます。真空の状態で冷凍庫に入れておけば酸化を防ぐことはできますが、一般のご家庭ではやや難しいでしょう。

外食が多い方は酸化した油を完全に避けるのは難しいかもしれません。でも、家庭では健康に害のない油を使ったり、外食では使っている油を確認したりして、酸化した油を意識して減らしていくことをお勧めします。

3-3.動物油のとり過ぎ

バターや油の多い肉などの動物油は、酸化しにくいという面では大きなメリットです。でも、次の2つのデメリットがあるのでとり過ぎには注意が必要です。

1つ目は、血流を悪化させる点です。酸化の害ほどではありませんが、この理由で動物油もとり過ぎると体にはよくありません。

2つ目は、インスリンというホルモンの働きを阻害し、血糖値が下がりにくくなってしまう点です。血糖値が高い状態が続くと糖尿病が進み、気づかないうちに体を蝕んでしまいます。

ここでは避けたほうがよい油について解説しました。マイナス面だけをみると油は怖いと思われるかもしれませんが、よい油の選び方を理解すれば、食事を楽しみながら健康を維持することもできます。次章では積極的に食事に取り入れたい油を紹介します。

4.増やしたい2つの油、補い方

前の章では避けたほうがいい油を紹介しました。それに代えて積極的に食生活に取り入れたい油は、オリーブ油青魚の油です。 これらの油の選び方やサプリメントでの補い方を解説します。

4-1.上質なオリーブ油

加熱調理に使う油、ドレッシング、パンにつける油は、サラダ油に代えて上質なオリーブ油がお勧めです。

オリーブ油にもさまざまな商品がありますが、新鮮なオリーブを使ったもの加熱処理や溶剤により抽出されていないものを選んでください。このような上質なオリーブ油はオリーブの天然のよい香りがします。

パンには酸化に強いバターも悪くはありませんが、固形油の弊害を避けるためにメインはオリーブ油にして、時々バターなどを使う程度にしたほうがいいでしょう。

4-2.新鮮な青魚

食事が肉に偏ると、どうしても血流が悪くなってしまいます。心筋梗塞を発症した人のうち、週に一度でも青魚を食べていた人は救命率が高くなるというデータもあります。肉に偏らないように、青魚など血流にいい食事も積極的に取り入れてください。

さばやあじ、さんま、かつお、まぐろなどの青魚の中でも、大型の魚は水銀などの有害物質を蓄積していることが多いので、小型の魚を選ぶとよりいいでしょう。また、青魚の油は酸化しやすいため、新鮮なものを選んでください。

4-3.サプリメント・えごま油

新鮮な青魚を摂ることが難しい場合は、血流を良くする成分EPADHAを抽出したサプリメントで補う方法もあります。上質なサプリメントは真空の状態で油を抽出し酸化を防ぐ製法がとられています。サプリメントを選ぶ際は、値段だけではなく、こうした製法についてもよく確認しましょう。

また、シソの仲間であるえごまの種から抽出されたえごま油も血流を改善する効果があるのでこれもおすすめです。えごま油も酸化しやすいため、冷蔵庫に入れて早めに使い切ってしまう必要があります。

現代の食生活では、安価で大量生産できるサラダ油が多く使われていますが、オリーブ油や青魚などを取り入れることによって、サラダ油とりすぎの弊害を緩和することができます。

三大栄養素の中で油はやや注意点が多く、難しく感じられたかもしれません。最後に油の注意点のまとめをお伝えしますので、あなたの食生活をもう一度確認してみてください。

5.まとめ

体のコアとなる栄養素、PART3では油について解説しました。油の解説は聞きなれない用語や、油の種類による長所と短所が入り乱れているので、難しく感じられたかもしれません。意識していただきたいポイントを3つにまとめていますので、できるものから取り入れていきましょう。

①サラダ油、バター、動物油は減らす
バターや動物油は血液の流れを悪くするのでとり過ぎに注意です。またサラダ油のとり過ぎは体の炎症を促進して、老化も促進するので、減らしてほかの油を使うようにしましょう。

②揚げもの、古い青魚を避ける
外食での揚げ物はサラダ油を繰り返し加熱して使っている場合が多く、酸化した油をとるリスクが高いので、できるだけ避けるようにしてください。また青魚も酸化しやすいので新鮮でないものは避けましょう。外食やお付き合いの席などでやむを得ない場合もあると思いますが、コントロールできる範囲で摂る量を減らすことを意識しましょう。

③良質なオリーブ油、青魚(EPA)をとる
サラダ油やバターなどのデメリットを緩和するため、代わりに良質なオリーブ油や新鮮な青魚(EPA)を取り入れましょう。

食生活は体づくりの基礎になるものですが、今日からすぐに完璧を目指すのはたいへんですし、食事がストレスとなってしまっては元も子もありません。まずは、体によくないものを減らすことから意識してみてください。

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健康増進

食べる投資 / 最善の食事とサプリメント PART-2 炭水化物

あなたは「炭水化物を摂らないことが体によいこと」と考えて、炭水化物を減らそうとしたことはありませんか?しかし、無理に炭水化物を減らしてみても、口寂しくなってついおやつを口にしてしまうのでは、元も子もありません。

炭水化物は仕事や勉強のパフォーマンスを上げるために必要な栄養素です。そのため、無理に炭水化物を減らすと、口寂しくなるのは自然な欲求ともいえます。炭水化物を上手に摂取することができれば、脳を元気な状態に保つことができ、炭水化物の摂り過ぎによる糖尿病や肥満、体の老化を避けることができます。

そこで、今回は炭水化物の役割や、理想的な炭水化物の選び方、摂り方について解説します。無理なく食習慣を改善するための方法も合わせてご紹介しましょう。

旅行先の土産物屋さんで店員さんとふざけ合う私

1.炭水化物が欠かせない理由

健康のコアとなる三大栄養素のお話、二つ目は炭水化物です。炭水化物は、ご飯やパン、麺類などに含まれる栄養素です。

1-1.炭水化物は脳の唯一のエネルギー源

炭水化物と糖は同じもののように混同されがちですが、炭水化物は糖と食物繊維でできています。ですので、ご飯などの炭水化物を食べるということは、炭水化物の成分でもある糖を摂取するということでもあります。

糖は、筋肉や脳のエネルギー源となり、体を動かすための不可欠な栄養素です。筋肉のエネルギー源としては、糖以外にも脂肪がありますが、脳のエネルギー源となるのは糖しかありません。つまり、糖は脳にとって唯一のエネルギー源となる重要な栄養素です。

1-2.炭水化物(=糖)が不足するとどうなるか

長い時間食事をしなかったりして必要な糖が不足すると、あなたの脳は燃料不足で悲鳴を上げてしまい脳神経系の働きにも影響が出ます。それでは困るので、体は他の物質から糖を作り出そうとします。これを「糖新生」といいます。

糖新生が起きると、三大栄養素の一つであるタンパク質が破壊されて糖になります。PART1でお話ししましたが、たんぱく質も重要な栄養素であり、糖新生によりタンパク質が減少すると体もメンタルもどんどん弱っていくのです。ですから炭水化物や糖を制限しすぎるのは、体にとって良くないことなのです。

このように炭水化物は欠かせない栄養素ですが、時として体に毒になることもあります。ではどんな場合に炭水化物が毒になるのか、次に説明しましょう。

2.炭水化物が「毒」になるとき

ご飯などの炭水化物を食べると、消化分解されてその中の成分である糖が血液を通じて脳や筋肉へ運ばれます。このとき、糖はゆっくり安定して供給されるのが理想です。そうすることによって、次に食事をするまでの間、長い時間燃料がもらえて脳は元気な状態を保つことができます。

糖の吸収をゆっくりに抑える役割は、炭水化物の中の食物繊維が担っています。摂取した糖が急激に血液に取り込まれないようブレーキとして機能するのです。

このように糖は脳にとって不可欠な栄養素ですが、毒にもなるというのは、この吸収のスピードが大きく関係しています。つまり、食物繊維が大きなポイントになるということです。

2-1. 脳はご褒美をがまんできない

仮に食物繊維の少ない炭水化物を摂取した場合、消化吸収のブレーキがきかないため、糖は血液に一気に取り込まれます。そうすると高血糖といわれる危険な状態に陥るのですが、脳はエネルギー源である糖が一気に大量に与えられたことをご褒美と認識してしまいます。

そして厄介なことに、脳は繰り返しご褒美を要求するようになります。タバコなど、体に悪いと分かっていてもやめられないのと同じようなメカニズムです。

現代は、糖が多く食物繊維が少ない炭水化物が好んで食べられるようになりました。多くの人の脳がご褒美を欲しがっているからです。口当たりがよく、いかにも脳が喜びそうな食品ばかりです。ここに危険が潜んでいるのです。

2-2.高血糖による3つのダメージ

急激に高血糖になると脳は喜びますが、体にはダメージとなりそれがどんどん蓄積してしまいます。これが「炭水化物が毒になる」ということです。高血糖によるダメージとはどのようなものかみていきましょう。

①血管が痛み体が老化する

糖はベタベタしており、血管内に貼りついてしまう性質があります。それによって血管の糖化と老化が起き、糖尿病が進行します。血管の全長は約10万㎞にも及び、体の隅々まで細い血管が張り巡らされています。糖尿病が進行するにつれて体中の血管が老化し、全身がどんどん老化していきます。

②脂肪として蓄積され肥満になる

また血糖値が急上昇すると、これを抑えるためインスリンが分泌されます。血糖値を下げるホルモンです。このときインスリンの働きで糖は血液から体の細胞に押し込まれ、脂肪として蓄積されます。つまり血糖値の急上昇は肥満の元にもなるのです。

③すぐに空腹を感じて食欲が亢進する

3つ目の問題は、インスリンの働きで血糖値が下がると、たとえ食事をしたばかりでも脳はエネルギー源である糖を欲してすぐに空腹になります。そしてまた糖の多い食品を食べ①〜③を繰り返す悪循環に陥ってしまうのです。

このような悪循環に陥らないためにはどうすればいいのでしょうか。もうお気づきだと思いますが、食物繊維が多い炭水化物を選べばいいということですね。次回は安全な炭水化物の選び方について説明します。

3.理想的な炭水化物の選び方、食べ方

炭水化物の役割と、血糖値の急上昇の害がわかったところで、理想的な炭水化物の選び方ととり方を解説しましょう。

炭水化物を安全にとるポイントは、血糖値を急上昇させないことです。その方法の1つは食物繊維が豊富に含まれている炭水化物を選ぶこと、そしてもう1つは血糖値の急上昇を抑える食べ方をすることです。具体的にみていきましょう。

3-1.安全な炭水化物の選び方

食物繊維には消化を遅くする働きがあるので、食物繊維が多い炭水化物では糖がゆっくり吸収され、血糖値の急上昇を穏やかにしてくれます。
それによって血糖値の急上昇から起こる数々の問題、血管の糖化、インスリンの過剰な分泌による肥満を防ぎ、お腹も空きにくくなり食欲も抑えられます。

①ご飯の場合

白米よりも玄米や五分づきがおすすめです。五分づき米とは、精米度が白米と玄米の中間の五分づきであるお米のことです。あるいは五分づき米の中に大麦を混ぜたり、押し麦を混ぜたりして食べるのもよいでしょう。

②パン、芋、麺の場合

白いパンよりもライ麦パンや全粒粉パンがおすすめです。芋類であれば、じゃがいもよりもさつまいも麺類ならうどんよりも蕎麦を選ぶようにしてみてください。

ただし蕎麦でも、小麦粉の繋ぎをたくさん使用している蕎麦には注意してください。可能な限り、本物の蕎麦粉を多く使用している蕎麦を選ぶのポイントです。

③お菓子やスナックの場合

お菓子はむき出しの糖とも言えるほと食物繊維が少ない食べ物なので、消化吸収が早く血糖値を急上昇させます。

ですので小腹が空いた時に食べるおやつには、加工の少ないもの。例えば甘さが少なめのバナナや、やはり甘さが少ない酸っぱめのリンゴ、ナッツなどを口にするようにしてみてください。飲み物であれば、砂糖を使っていない炭酸水やお茶などがいいでしょう。

3-2.安全な炭水化物の食べ方

食物繊維の多い炭水化物がよいとわかっていても、出先の食事で選べなかったり、すぐに習慣を変えられない人もいるしょう。そんなときのための次善策=血糖値を上げない食べ方をここでは紹介しましょう。

結論から言うと、食事でタンパク質と食物繊維の量を増やしてください。タンパク質は、食物繊維と同じく糖の吸収をゆっくりにしてくれます。また食物繊維が少ない炭水化物を摂るときは、他の食べ物で増量すれば理想の炭水化物をとったのと同じ効果が得られます。

ですから食事の時には、必ずタンパク質や卵、肉などを確保してください。サプリメントのプロテインを活用してみるのもいいでしょう。食物繊維の多いものは野菜です。もし野菜が取りにくい時は「ファイバー=食物繊維」のサプリメントをとるのものよいでしょう。

3-3.炭水化物を切り替える3つのコツ

理想的な炭水化物の選び方、とり方が分かったら今度はその実践です。食事を切り替えるコツとしては、頑張り過ぎないことが一番大切です。何事も張り切りすぎると結局続かず、途中で諦めてしまうことが多いものです。

無理ぜず時間をかけて食べ方を変え、家族と同居している人は家族の理解や協力も得られる形を作りましょう。時間をかけてゆっくり切り替える3つのコツを紹介します。

①時間をかけて切り替える

最初はまず主食の白米を→五分づきに変えることから始めてみてはどうでしょうか。五分づきへの変更に成功したら、少し大麦や押し麦を混ぜてみてください。それで家族から不満が出たら、一度五分づきだけに戻してみてもいいでしょう。

一人暮らしの方は家族に理解してもらう必要がないので、無理のない範囲で徐々に慣れていくようにしてみましょう。急がずゆっくり時間をかけて習慣化していくことをおすすめします。


②代わりの食べ物を用意する

切り替えの習慣化には、口寂しいときの代わりの食べ物を用意することも大切です。血糖値の急上昇のご褒美に慣れている脳は、血糖値を上げにくい炭水化物では物足らず、ご褒美の糖を求めて口寂しくなりがちです。

そのとき手を出すものが、食物繊維の少なく血糖値を急上昇させるお菓子や白いパンでは、脳の糖中毒はいつまでも治りません。

ですから口寂しさを紛らわすものとして、ナッツ、梅干し、甘さの少ない果物などを用意しておくのがおすすめです。ナッツは古いとカビが付いていたり酸化して体に悪いので、新鮮かつ無塩のものを選んでください。


③炭酸水、食器で気分を切り替える

飲み物は糖の入っていないお茶やお湯、炭酸水などがおすすめです。ジュースから切り替えて口寂しさを感じる時には、炭酸水はどうでしょう。私は自宅で炭酸水を作っていますが、清涼感があって飲みごたえもあります。また気に入ったグラスやカップを使うと口寂しくてもなんだか上質な感じがして気分が上がります。

このように少し工夫すると、気持ちを切り替わって口寂しさが紛れます。。飲み物に限らず、食べ物にも気に入った食器を用意して食事を楽しんでみてください。

4.まとめ

世間ではよく「ノンカーボ」とか言ってあたかも「炭水化物を摂らないことが体によいこと」というような風潮があります。 でも炭水化物は必要な栄養素でもあるので、避けすぎも害になります。

そこで今回は炭水化物の役割、血糖値の急上昇の害、理想的な炭水化物の選び方ととり方を解説しました。この知識があれば血管の糖化、老化、肥満、そして食べすぎを避けることができ、安心して炭水化物を摂ることができます。

切り替えのコツとしては、ゆっくりと時間をかけて切り替え、代わりのものを用意したり食器を工夫したりしてみると、より楽しく改善できます。健康レベルを高めたい、全身の老化を遅らせたい、無理なく食べすぎや肥満をさけたいと思う方は、ぜひ今回紹介した方法を試してみてください。

※最善の食事とサプリメント PART-3 油