コースクリエーターのための極上健康法3

体重や外見を気にして食べ物を制限することはありませんか?確かにカロリーを控えることも大切ですが、そのことで脳や体の機能維持に欠かせないタンパク質が不足するリスクがあります。タンパク質不足は、外見の老化、脳や体の機能低下の恐れがあるのです。

コースクリエイターとしてパフォーマンスを発揮するためには、タンパク質を不足させてはなりません。このセクションでは脳や体の基本材料となり、パフォーマンス向上に不可欠なタンパク質を取り上げます。

92歳の母と、大好きな奥日光にて

1.脳と体の質を変えるタンパク質

脳や体の約40%はタンパク質でできており(水分を除く)、日々タンパク質が入れ替わることで細胞がリフレッシュしています。つまり体はタンパク質が主な原料ですから、良質なタンパク質をとり続けることが体調維持に重要なのは一目瞭然です。タンパク質の役割についてもう少し具体的に見ていきましょう。

1-1.脳の土台になる

脳はその構造上、タンパク質が土台となっています。この脳の土台も日々生まれ変わって新陳代謝していますので、脳の健康のためには、良質なタンパク質を補給してしっかりした構造を維持していく必要があります。

1-2.全身をコントロールする脳内ホルモンになる

人間の脳は心身を健康に保つために、脳内ホルモンなどの物質を分泌して、脳や体の各部位にさまざまな指令を出しています。この脳内ホルモンなどの脳内物質にもタンパク質が使われます。
喜怒哀楽などの情動に関わるノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンは、3大脳内ホルモンといわれていますが、下の図のようにコースクリエーターのパフォーマンスにも大きく影響しています。

なお、図の一番下にあるGABA(ギャバ)はアミノ酸の一つで、脳内ホルモンではありませんが、アドレナリンやドーパミンを抑制してストレスを低減させる働きのある脳内物質です。GABAもタンパク質から体内で合成されます。

1-3.外見や体調に影響する

人間の見た目を形成する皮膚や筋肉、骨、爪、毛髪はどれもタンパク質でできています。また体内の内臓や血液、酵素、ホルモン、免疫物質など生命維持や体調に関わるものにもタンパク質が使われています。

1-4.脳への酸素供給にも影響する

人間が考えたり表現活動をしたりする時、脳は大量の酸素を必要とします。仮に1分間でも酸素供給が不足すると脳の機能は低下してしまい、10分間酸欠の状態になると脳細胞は死んでしまいます。

脳に酸素を運んでいるのは赤血球のヘモグロビンといわれるタンパク質です。ヘモグロビンはタンパク質の土台にヘム(鉄分)が結合したものですから、タンパク質は脳への酸素供給にも影響しています。

タンパク質の役割を4つの視点から取り上げましたが、タンパク質は筋肉や皮膚などの外見だけではなく、脳など内面のパフォーマンスにも大きく影響していることがお分かりいただけたかと思います。タンパク質は油と並んでコースクリエーターのパフォーマンス向上に重要な栄養素であることをご理解いただいた上で、次にタンパク質にはどのような種類があるのかについて見ていきましょう。

2.人間に最良のタンパク質とは

タンパク質は肉や魚、大豆などから摂ることができますが、一口にタンパク質といってもその”質”は食材によって大きく異なります。どんな食材からタンパク質を摂ればいいのか判断する手掛かりにするため、タンパク質はどのようにできているのかを見ていきましょう。

2-1.タンパク質はアミノ酸の集合体

タンパク質はアミノ酸という物質が結合してできています。自然界には数百種類のアミノ酸がありますが、下の図のように、各種のアミノ酸がネックレスのように結合して、人間用のタンパク質や動物用のタンパク質など異なるタンパク質がつくられています。

2-2.人間に必要なアミノ酸は20種類

人間の体の材料となるタンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせによりつくられますが、肉や魚、豆などはアミノ酸の組み合わせが異なるためタンパク質をそのまま使うことはできません。(仮にもし、そのまま使ったとすると、体の一部が豚肉や豆になってしまいます、笑)

そのため、肉などから摂ったタンパク質を消化酵素によってバラバラのアミノ酸に分解し、再度必要な形にアミノ酸を並べなおして人のタンパク質がつくられます。

2-3.遺伝子によって独自のタンパク質が合成される

人間はそれぞれ見た目も違えば性格や能力も異なりますが、それはあなた専用のアミノ酸を並べ方が書かれた遺伝子が大きく関係しています。

遺伝子にはあなた独自のアミノ酸の並べ方が書かれており、あなたの外見や性格を決定するタンパク質がつくられています。つまり、遺伝子はあなたの外見や性格などを決定する設計図であり、その設計図に沿ってタンパク質ができるのです。

2-4.アミノ酸が不足するとどうなる?

人間に必要な20種類のアミノ酸は食事により摂取するのが理想です。でももしアミノ酸が不足するとどうなるのでしょうか。

タンパク質の摂取量が不十分であったり、量は十分であってもアミノ酸の種類が偏ったりしていると必要なタンパク質をつくる材料が足りなくなってしまいます。

そうなると、脳の土台や脳内ホルモンの生成、体の各部位の新陳代謝が進まなくなって、体力や思考力、集中力の低下などの悪影響につながります。

つまり遺伝子の持っているパフォーマンスを最大限発揮するには、20種類のアミノ酸は十分な量をバランスよく摂取することがとても重要になるわけです。次の章では、アミノ酸をバランスよく摂ることができる具体的な食材の選び方について解説します。

3.最良のタンパク質がとれる食べ物

20種類ものアミノ酸をバランスよく摂るとなると難しいパズルのように感じられるかもしれません。でも最初に種明かしをしてしまうと、人間に近いアミノ酸のセットを持つ食材からタンパク質を摂取すれば大丈夫です。

タンパク質には、大きく分けると動物性のものと植物性のものがありますが、人間は動物なので、動物性のタンパク質のほうが人間に必要な20種類のアミノ酸を多く含んでいます。中でも豚肉鶏肉牛肉青魚のタンパク質は、人間にとって最適といえます。

ダイエット指向が強い方や自然派の方は、植物由来のタンパク質を上質と捉えがちかもしれませんが、それでは必要な種類のアミノ酸を摂取することは難しく、ダイエットや健康増進にとっても逆効果です。

では次に、どれだけの量のタンパク質を摂取すればいいのでしょうか。次の章で必要なタンパク質の量についてチェックしてみましょう。

4.タンパク質の過不足チェック

人間に必要な20種類のアミノ酸を摂るためには、動物性タンパク質を中心にどれくらい食べればいいのか見ていきましょう。

4-1.タンパク質摂取目標量

日本人が健康を保持、増進するために必要な栄養の量は、厚生労働省から研究成果※が公表されています。かなり大部の報告書ですが、タンパク質の摂取目標量を抜粋したのが下の図です。
「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」厚生労働省

「身体活動レベル」のⅠは1日座って過ごすことが多い人、Ⅱは家事や軽い運動、軽作業をしている人、
Ⅲは立ち仕事や習慣としてスポーツをしている人が目安

30代と40代で活動レベルⅡの方を例にすると、タンパク質の目標量は男性が88グラムから135グラム、女性が67グラムから103グラムとされています。卵1個に含まれるタンパク質は約6グラムですから、卵10個以上に相当するタンパク質が必要ということになります。

4-2.食材に含まれるタンパク質

では私たちがふだん口にしている食材にタンパク質はどれくらい含まれているのでしょうか。1日の食事から摂ったタンパク質を計算するためのシート※を用意しています。下の図はその抜粋です。
「本日のタンパク質 計算シート」

例えば鶏のもも肉の一食分に含まれるタンパク質は約11グラムですが、三食すべて肉料理や魚料理にしても、タンパク質は不足しがちなのがお分かりいただけると思います。あなたが実際に摂取しているタンパク質の量もぜひ計算してみてください。摂取目標分のタンパク質を摂れていますか?

十分にタンパク質が摂れていないからといって、やみくもに食事の量を増やせばいいわけではありません。食べ過ぎると今度はカロリーが多くなり過ぎてしまい、体脂肪が増えてしまうからです。そこで次章では、タンパク質を摂取する有効な方法として、サプリメントによる補給についてお話ししていきます。

5.プロテイン・サプリのメリットと使い方

脳や体のパフォーマンスを向上させるためには、カロリーにも注意を払いながらタンパク質を十分に摂取する必要があります。この2つのテーマを同時に解決するには、プロテインのサプリメントでタンパク質を補給するのが有効です。プロテインのメリットと使い方を解説します。

5-1.低カロリーでタンパク質を補給できる

プロテインというと、筋力トレーニングに取り組む人向けのサプリメントのように思われがちですが、脳機能から外見まで左右する良質なタンパク質を低カロリーで効率よく摂取することができるので、高いパフォーマンスを発揮したいコースクリエーターも是非取り入れたいサプリメントです。下の図をご覧ください。

卵や納豆などの食材でタンパク質を摂ろうとすると、カロリーを摂取しすぎてしまうことがお分かりいただけると思います。一方、同じ量のタンパク質をプロテインで摂ると、卵の約半分、納豆の約3分の1のカロリーで済みます。

5-2.20種類のアミノ酸をバランスよく摂取できる

タンパク質はただ量を増やすだけではなく、アミノ酸のバランスも重要というお話をしました。

食事だけでは人間に必要なアミノ酸をバランスよく摂取できるとは限りませんが、20種類のアミノ酸が配合されてている良質なプロテインを選べば理想的なタンパク質が確実にとれます。私も活用しています。

5-3.プロテインの使い方

タンパク質の摂取目標量と、食事から摂れるタンパク質の計算方法は前章でご紹介しました。プロテインのサプリメントなら、コーヒーのメジャースプーン山盛り1杯でタンパク質が約10グラム補給できるイメージです。あなたの食事を見返して必要な量のタンパク質を補ってください。

コースクリエーターとして成果を出すには、時には長時間集中して仕事をすることもありますが、十分なパフォーマンスを発揮するために、まず油を変えること良質なタンパク質を十分に摂ることの2点をご紹介しました。

次のセクションでは、体の機能を向上させる食事について紹介します。今回の体の質を向上させる食事と合わせて取り組んでいただくとさらに効果的です。